一連のエスプリシリーズの中でも人気の高いV8
2025年2月27日〜28日にRMサザビーズがアメリカ・マイアミで開催したオークションにおいて、ロータス「エスプリV8」が出品されました。マグノリアレザーのインテリアにアズールブルーメタリックのボディカラーを組み合わせたエスプリV8は、アメリカ仕様として8台が存在するのみです。走行距離は5765マイル(約9224km)と少ないのも魅力的な1台でした。
ジウジアーロデザインのエスプリ
現在のロータスが生産するモデルのラインナップといえば、その中にはICE(内燃機関)を搭載する「エミーラ」があるものの、ほかはすべてハイパーSUVの「エレトレ」、ハイパーGTの「エメヤ」。そして2011psの最高出力を発揮する130台の限定車、ハイパースポーツの「エヴァイヤ」といった高級なBEVに限られている。
かつてはライトウエイトスポーツを数多く市場に送り出してきたロータスだが、彼らは過去にも高級車路線に大きな成功の可能性を見出したことがある。1975年に発表されたミッドシップスポーツの「エスプリ」がそれだ。
エスプリの原案となったデザインスタディは、1972年のトリノショーで発表された。ジョルジョット・ジウジアーロ率いるイタルデザインブースには、同時にマセラティ「ブーメラン」が展示されていた。しかし、「ヨーロッパ」の後継車を求めていたコーリン・チャップマンは、ブーメランなどには興味を示さず、即座にジウジアーロにエスプリの量産化を依頼したと伝えられている。それから3年の時間を費やし、エスプリの量産型は完成する。
だが後にS1と呼ばれることになる最初のエスプリは、その斬新なボディデザインとは対照的に、イギリス本国仕様でもわずか160psを発揮する2Lの直列4気筒エンジンをミッドに搭載するモデルにすぎなかった。
アップデートを繰り返し1987年にはマイナーチェンジへ
ロータスは最高速で222km/h、0‐96km/h加速では6.8秒という運動性能を公称するが、それはあまりにも楽観的すぎる数字だった。その結果ロータスは、エスプリのハイパフォーマンス化を決断したS2、S2.2、ターボ、S3と、続々とハイパフォーマンスモデルをデビューさせる。エスプリの知名度は、これらのモデルの誕生によって一気に高まったのだ。
そしてエスプリの生産開始から12年目にあたる1987年、ロータスは大幅なマイナーチェンジを実施しS2へと進化。より現代的なアピアランスに生まれ変わった、いわばセカンドジェネレーションともいうべきエスプリは、ロータスの社内デザインチームによってスタイリングされたもの。


























































































































