最高速は318km/hを記録するモンスターマシンに
これだけでもエクストラ・パワーは十分と考えられるところだが、出品車のオーナーは、それを有名なパフォーマンスチューニング会社であるレンテック社に持ち込み、ターボを大型化。インタークーラーの拡大、エンジン・コントロール・ユニットのリマップなどの改良を行い、最高出力で800ps、最大トルクでは1356Nmを得るに至ったのだ。最高速は318km/hで電子制御される。
2009年4月にラインオフされたこのモデルは、ブラックのボディカラーとブラック&アンスラサイト・エクスクルーシブ・レザーのインテリアで仕上げられ、カリフォルニアに新車で納車された。そして2010年9月、テキサス州リーグシティのディーラーを通じてファーストオーナーに販売され、2010年10月に759マイル(約1214km)をオドメーターに刻んだ時点で、セカンドオーナーに譲渡された。
このセカンドオーナーこそが、総額で4万1000ドル(邦貨換算約611万円)以上を投じて、チューニングを施した人物。レンテックではさらにさまざまなボディパーツやモール、エンブレムをグロスブラックに仕上げ、アルカンターラとカーボンファイバーを組み合わせた独自のステアリングホイールを装備。ブレーキキャリパーはイエローのエポキシ塗装で仕上げられ、クルマの車体全体にはセラミック保護コーティングも施された。
オークションに登場した段階での走行距離は9449マイル(約1万5118km)という数字だったが、やはりこのタイプの高価な限定車を求めるカスタマーには、オリジナルに強いこだわりがあるのだろうか。残念ながら今回のマイアミオークションで、それは落札されることはなかった。それが徹底的にユニークで魅力的なモデルであることは、確かに認めなければならないところなのだが……。




































































