見た目こそクラシックだが中身は新車
どうみても1世紀前のクラシックカーに見えますが、レプリカではなくメーカー純正の新車として製造・販売され続けているのが「コンティニュエーション(継続生産)」というスタイルです。今回は、イギリスの老舗高級車メーカーであるアルヴィス「4.3リッター ランスフィールド コンシールドフード」を紹介します。
一世を風靡した名車が現代に甦る
現在、明治産業によって日本導入されているアルヴィス。正直に言えばアルヴィスの本質を知る人は少ない。と言うのも、ほとんど実際のクルマを目にすることがないからである。それはアルヴィスが1967年に自動車作りを辞めていたからである(メーカーはそのまま存続していたが)。しかし、2012年、アルヴィスはコンティニュエーションモデルとして蘇ったのだ。
そもそもコンティニュエーションは、簡単に言えば昔一世を風靡した名車を、現代に蘇らせること。しかし、年間300台を超える生産能力を有する自動車メーカーのモデルは、現代の安全装備や排ガス規制をクリアさせる必要があり、このためにジャガー XKSSやアストンマーチン DB5と言った現代に蘇ったコンティニュエーションは、ナンバーの取得ができず、サーキット走行を楽しむか、はたまた広大な自宅の庭でドライブを楽しむのが精々。
しかし、年間300台の生産台数を超えないアルヴィスの場合は、その縛りから外れるため、イギリスのVOSA( Vehicle and Operator Services Agency)によって、ナンバー取得を可能としている。しかも当時作られた年式で、そのまま登録が可能なのである。
同じデザインのボディは極めて少ない
アルヴィスを扱う明治産業では、既にヴァンデンプラ 4.3L ツアラーや、グラバークーペなどを導入しているが、オートモビルカウンシル2025には、4.3リッター ランスフィールド コンシールドフードを持ち込んだ。このクルマのオリジナルは、1938年のロンドン アールズコートモーターショーで展示されたもので、ボディを手掛けたのはランスフィールド コーチワークリミテッド。4.3Lのモデルとしてはワンオフモデルであり、今回展示されたコンティニュエーションはまさに2台目のモデルだ。
ただし、極めてよく似たデザインのモデルは、同じアルヴィスでも3.5Lエンジンを搭載したスピード25と呼ばれるモデルで見かけることができる。いずれにしても当時のアルヴィスは、シャーシとエンジンなどメカニカルな部分のみを作り、ボディはいわゆるコーチワーカーに任せていたから、同じデザインのボディは極めて少ないのである。




















































