ポロストリコ設立10周年
ランボルギーニのヘリテージ部門「ポロストリコ」は、2025年に設立10周年を迎えました。「350GT」から「ディアブロ」の最終型まで、同部門はヒストリックカーの管理とレストアを通じてブランドの歴史的アイデンティティを支えてきました。ランボルギーニの過去と未来をつなぐこの特別な部門の歩みを、あらためて辿ってみましょう。
ポロストリコの設立と目的とは
2015年4月16日に発足したランボルギーニ・ポロストリコは、それまで異なる部門に保管されていた同社の全歴史的記録の一元化とデジタル化から活動を開始した。カタログ化された項目には、技術図面、製造表、型式認証文書、オリジナル資料、歴史的画像、販売・管理文書、会社の公式出版物などがあり、体系化された権威ある歴史的アーカイブの作成に貢献した。同時に、本社に特別な技術部門が設置され、専門チームが部門の正式立ち上げ直前の数カ月間、ヒストリックカーの修復作業を開始した。
ポロストリコのレストアは、歴史的・技術的・美的アイデンティティを完全に尊重し、すべての車をオリジナルの状態に戻すという明確な目的を常に維持している。各プロジェクトは、アーカイブの綿密な調査から始まり、ポロストリコ・チームの調整・監督のもと、外部の一流サプライヤーと協力しながら、何千時間にも及ぶ熟練作業を経て完成する。
2016年、ランボルギーニ・ポロストリコが公開した最初のプロジェクトであるシャシーナンバー4846の「ミウラSV」は、アメリア・アイランド・コンクール・デレガンスで発表された後、サロン・プリヴェでベスト・イン・クラスを獲得した。翌年2017年には、シャシーナンバー5030のミウラSVがオリジナルのスペアパーツのみを使用して、20カ月2000時間に及ぶレストアを経てテクノクラシカ・エッセンに出展した。
また同年には、ポロストリコがジャンパオロ・ダラーラ氏の80歳の誕生日を祝して、14カ月間3000時間をかけてレストアしたシャシーナンバー3165の「ミウラ P400」を本人に引き渡した。
最初のフルレストアとなったシャシーナンバー0121の「350 GT」は、ランボルギーニが初めて生産した車のひとつであり、ボディとインテリアに1150時間、機械および電気系統のチェックに780時間が費やされた。
50年以上前のクラッシュテスト車を蘇らせる
2018年には、シャシーナンバー3264のミウラ P400のレストアが10カ月の作業を経て完了し、パリのレトロモビルにおけるポロストリコのブースに展示された。同年にはシャシーナンバー4863のミウラ Sの作業も終了し、ロンドンのサロン・プリヴェでベスト・イン・クラスと最も象徴的なクルマに選ばれた。2019年には、シャシーナンバー3673のミウラ SVのレストアを重要なプロジェクトが完了し、レトロモビルでのデビュー直前に完成。ポロストリコのブースで展示された。
このクルマは綿密な歴史的調査により複雑な来歴が再検証され、数カ月後にはペブルビーチ・コンクール・デレガンスでベスト・イン・クラス賞を受賞した。また同年、ポロストリコはシャシーナンバー3586のミウラ P400を認定し、映画『ミニミニ大作戦』の撮影に使用されたモデルであることを公式に証明した。
最新の修復のひとつは、イタリアの歌手であるリトル・トニーが所有していたシャシーナンバー4797のミウラ P400 Sであり、アズーロ・メヒコ(水色)に塗装された7台のうちの1台で、2019年にヴィラ・デステで発表された。
2020年にはレトロモビルで1973年式のシャシーナンバー4860のミウラ SVが展示された。この魅惑的なヒストリックカーは、オリジナルのコンディションを維持することを目的とした入念な保存作業の対象となり、すべての技術的・機械的コンポーネントのオーバーホールと細部の保存が行われた。

この部門の能力と専門性をもっともよく示すプロジェクトは、50年以上前にクラッシュテストで破壊された1971年の「カウンタック LP500」のプロトタイプを完全復元である。2万5000時間を超える作業の末、2021年に完成した。このモデルは、アーカイブ資料、歴史的写真、生の証言のみをもとにゼロから再現されており、ポロストリコの精神と使命を完璧に体現している。



















































































































