クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • スズキ2代目「フロンテ360」はRRを採用した1960年代のヒット作! SNSで見つけた不動車をレストア
CLASSIC
share:

スズキ2代目「フロンテ360」はRRを採用した1960年代のヒット作! SNSで見つけた不動車をレストア

投稿日:

TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 1968年式のスズキ 2代目 フロンテ360と、オーナーの黒田知宏さん
  • スズキ 2代目 フロンテ360:ボディはこの2ドアセダンとバンがラインアップされていた
  • スズキ 2代目 フロンテ360:丸いテールランプなど、可愛らしいデザインも人気の理由のひとつ
  • スズキ 2代目 フロンテ360:空冷2サイクル直列3気筒エンジンを横置きに搭載。最高出力25ps最大トルク3.7kgmを発揮
  • スズキ 2代目 フロンテ360:燦然と輝くスズキのロゴ。軽自動車に強いスズキというイメージは、フロンテ360が築いた
  • スズキ 2代目 フロンテ360:フロントのトランクにはスペアタイヤが鎮座している
  • スズキ 2代目 フロンテ360:綺麗にレストアする時間や予算を惜しんで(?)、リフォームに全力投球中
  • スズキ 2代目 フロンテ360:内装は基本的に入手当時のまま
  • スズキ 2代目 フロンテ360:赤い内装は純正かどうかは定かではなく、前オーナー所有時に張り替えられている可能性もある
  • スズキ 2代目 フロンテ360:イベント会場で実施されていた昭和の物コンテストで、見事優勝を果たした黒田知宏さん。その時に出品していたのが、軍事郵便だった。古い家や小屋を譲り受けるとその当時の荷物がそのまま残されていることが多いそうで、そのなかから当時を知ることができる貴重な資料なども数多く発見されるのだそう
  • スズキ 2代目 フロンテ360:リアにエンジンを搭載しているため、リアフードやリアフェンダーに冷却用ルーバーが設けられているのが特徴
  • スズキ 2代目 フロンテ360:バンパーが外されてナンバーが左に移設されているため、レーシーなムードが漂う

空冷2ストローク直列3気筒エンジンで、60年代後半に大ヒット

スズキ「フロンテ」は、1962年に初代が発売されました。当時では珍しい前輪駆動のFFレイアウトを採用。スバル「360」のライバルとして注目されましたが、その牙城は崩せず。その後1967年に2代目が登場し、名前も「フロンテ360」へと変更されました。将来的に到来する高出力化の流行を想定し、バイク用のエンジンをベースにした空冷2ストローク直列3気筒エンジンを採用。これが大ヒットとなり、ライバル各社が“打倒フロンテ”を掲げて、新型車ラッシュのきっかけとなったのでした。

SNSをきっかけにしてフロンテを入手

2024年11月10日に愛媛県四国中央市川之江栄町の商店街駐車場で開催された第13回U-550旧軽自動車ミーティング
に参加していた、スズキ2代目「フロンテ360」のオーナーの黒田知宏さん。趣味は、陶芸に家のリフォーム。クルマはその次ぐらいの優先順位と言うが、クルマの所有遍歴を聞くと、スバル「360」、三菱「500」、マツダ「R360クーペ」、ダイハツ「フェローバン」、三菱「ミニキャブバン」、スバル「サンバー」など、ご本人の言葉とは対照的なほど、なかなかのラインアップだった。

「知り合いとのお酒の席で、最近、フロンテが気になっているんだよねって話しをしていたのです。その方の父親も昔乗っていたそうで。その流れでX(旧Twitter)に“フロンテに乗りたい“と投稿したら、それを見た愛媛在住の方からこのクルマの話をいただいたのが所有することになるきっかけでした」

岡山県倉敷市から愛媛まで現車確認のために訪問。高額であれば購入を見送るつもりであったが、不動車ながらナンバーは返却されていなかった。さらに、価格も手頃であったことから、約8年前に黒田さんの元へとやって来た。

古民家を買うと古いクルマがもれなく付いてくる!?

「修理などを自分で行うこともありますが、そうするとどうしても時間がかかってしまうんです。なにしろクルマは趣味の優先順位では3番目ですから(笑)。そのため、基本的にはショップにお願いするようにしています。その間に、私は家のリフォームに精を出しているんですよ」

このフロンテ360も、走行に支障がある箇所は修理や整備をしているが、基本的には前オーナーのままとのこと。エンブレムなども外されてしまっているため詳細は不明だが、グレードはおそらくスーパーデラックスと予想しているそうだ。内装も張り替えられているようだが、これも前オーナーが施したもの。黒田さんは基本的に乗れる状態であれば問題なしというスタイルで、レストアなどへの時間と予算を割くくらいならば、家のリフォームなどにつぎ込みたいとのこと。

ちなみに何度も家のリフォームの話しが出てくるが、じつはこれ、愛車を保管するために入手した車庫や土地のことなのだ。所有台数が増えてしまったことでその置き場を確保した結果、そのときの縁がどんどん広がり、土地や古民家の譲渡の相談が黒田さんに舞い込んだ。そこには、建屋だけではなく、古いクルマが小屋の中でそのまま眠っていることもあったそうだ。

「自分で使うために廃品を処理しながら綺麗にリフォームすることを楽しんでいたのですが、田舎には住む人がいなくなってしまった古い民家などが意外と多く残っているんですよね。

それをどう処理したらいいのか、皆さん困っているようなんです。だから、私のように古いクルマが好きで、家のリフォームにも興味がある人間に、“もしよかったらどうですか?”という話が舞い込んでくるのだと思います。つい家のリフォームに夢中になってしまって、修理しなければいけないクルマがたくさんあるんですけどね(笑)」

フロンテ360もその他のクルマも、大切に保管するための置き場の確保が優先。黒田さんにとっては、未来の旧車生活を楽しむために、家のリフォームが最優先という理由があったのだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

すべて表示

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS