今後も高値安定が続くとみて間違いない?
RMサザビーズ北米本社の公式カタログでは
「FCA(注:フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカ)の集まりやプレミアムなカーショーに理想的な、この極めてオーセンティックで公認されたマッチングナンバーのF50は、フェラーリ・エンスージアストにとって最高のコレクションとなることでしょう」
と語られるとともに、現オーナーと協議した結果として550万ドル~650万ドル(邦貨換算約8億2500万円〜9億7500万円)というエスティメート(推定落札価格)が設定されていた。
そして迎えた競売ではビッドが順調に伸びたようで、終わってみればエスティメートの範囲に収まる553万2500ドル、現在のレートで日本円に換算すれば約7億9400万円で競売人のハンマーが鳴らされることになった。
ところで、今回の「MIAMI 2025」オークションでは、このF50以上に低走行のエンツォ・フェラーリが、同じくエスティメート550万ドル〜650万ドルで出品されながらも、こちらは落札には至らなかった。
新型コロナ禍の以前には、F50とエンツォのマーケット相場はほぼ拮抗していた印象が強いが、このところのF50は明らかにエンツォを上まわるプライスで推移しているようだ。この相場感は、昨今エンスージアストの間でいわれるようになった、同じ「ビッグ6」でもエンツォ以降のモデルについて少々陳腐化が進んだ……? とする観測にも合致しているかに映る。
他方F50については、乗り手に強烈なバイブレーションをもたらす、カーボンバスタブ直結のエンジン搭載方式をはじめ、ともすればそのピュアすぎる成り立ちが敬遠されがちだったはず。ところが、この種のハイパーカーでも多様化している成熟市場においては、それさえもF1的であるとリスペクトされている。
経済的な理由以外でも「乗るひとを選ぶ」、最後のフェラーリ限定スペチアーレ。そんなキャラクターで語られるF50は、今後も高値安定が続くとみて間違いないのではあるまいか……?

































































































