陸の王者の名にふさわしい運動性能を披露
LM001のリアに搭載されたエンジンは、アメリカのAMC社製となる5.9L V型8気筒だったが、ランボルギーニは同時に自社製の4.7L V型12気筒エンジンを332psの最高出力で搭載することにも着手。
さらにそれをリアに配置することは走行安定性の面で問題を残すという理由で、フロント搭載へと変更。そうして誕生したのが、プロトタイプの「LMA」であり、ここで紹介するプロダクションモデルの「LM002」だったのだ。
4輪ダブルウイッシュボーンサスペンションやパワーステアリング、5速MT。そしてパートタイム4WDなどのメカニズムが採用されたLM002は、カウンタックが5000クワトロバルボーレに進化した後のDOHC48バルブエンジン(450ps)を搭載した。オーバー200km/hの最高速に象徴されるように、まさに陸の王者の名にふさわしい運動性能を披露したのである。さらにLM002は、「LM003」、「LM004」へと進化するが、じっさいにプロダクションモデルとしてデビューを飾ることはなかった。
走行距離も控えめの2万2657km
今回RMサザビーズから、マイアミオークションに出品されたLM002は1993年式と生産の最終年式で、走行距離は2万2657kmというモデル。わずか328台が生産されたのみとされるLM002のなかで、ドイツへとデリバリーされたものである。
そのコンディションは良好で、おそらくは新車時に発表された運動性能データを確実に達成できる1台と推測できる。ブラックのボディカラーと、レッドのパイピングが鮮やかなインテリアのコンディションにも不満はない。
2019年にはブレーキと5速MTの整備が行われた。そのほかにも、電気系のメンテナンス、そしてピレリ製スコーピオン・タイヤへの交換も行われた。そして出品車には、オーナーズマニュアルや保証書など、一連のドキュメントが備わるというのだから、ランボルギーニのコレクターにとって、それは大いに魅力的なモデルといえる。
RMサザビーズはこのLM002に35万ドル〜45万ドル(邦貨換算約5220万円〜6710万円)の予想落札価格を提示。最終的な落札価格はその上限をわずかに超える、45万500ドル(邦貨換算約6715万円)という数字で落ち着いた。それが今後のLM002のオークションでの取り引きに大きな影響を与えることは、間違いのないところといえそうだ。




































































