エアサスとこだわりのホイールで極限まで車高短に
神奈川県にある箱根ターンパイクの駐車場では定期的にオーナーが集まるイベントが開催されています。今回は、86、GR86、BRZのオフ会に潜入。数多くのカスタム車両が並ぶなか、周囲の車両よりも格段に車高の低い1台を発見。サイドステップが地面に接触しそうなほどの低さを実現した秘訣はエアサス装着にありました。
他のどのクルマよりもルーフが低い
86/BRZのカスタムというと、スポーティなエアロを装着して走りを意識した方向性というのが圧倒的大多数となるが、どんな世界にも異端児は存在する。今回紹介する“こーたろーさん”のGR86はそんな異端な存在だ。サイドステップが地面に着地寸前。タイヤだけでなくホイールもフェンダーの内側に入り込むほど車高が低い、いわゆるスタンス系カスタムとなっているのだ。ちなみに一般的な車高調を組んだGR86よりさらに5cm程度はルーフの位置が低いはずだ。
「以前はスバル インプレッサに乗ってました。このクルマは2023年式で最初から車高を下げるつもりで新車を購入してます。GR86ってフェンダー内が比較的広いし、足まわりのパーツも豊富にリリースされているので、こういったカスタムも楽しむことができます」
エアサス＋フルアームで限界を超える車高を実現
クリスタルホワイトパールのボディには、フロントにMAX ORIDOのリップスポイラー、SPECのサイドステップ、同じくSPECのダックテールなどを装着しているが、比較的シンプル。この組み合わせでは車高を下げて行くと最初にサイドステップが地面に接触することとなる。
車高調整はロームエア製のエアサスペンションで、フロントは326POWERのアッパーアームを、リアに関してはフルアームを組み込んで、通常よりキャンバー角を大きめに設定。限界を超えた車高を実現しているというわけだ。ちなみにロードクリアランスを考慮して、マフラーはワンオフで作成して、小さな砲弾型のテールエンドが左右斜めに向かって飛び出す独特のスタイル。インテリアはGOODGUNのバケットシートにGHOST EXPODのディープコーンステアリングをチョイスしている。
BBS RSホイールのリバレルでギリギリの設定に
こういったギリギリの車高を設定する場合、ホイールのオフセットは非常に重要。市販サイズではなく、ミリ単位の細かな設定が必要となる。そんな必要性から生まれたのが、ホイールのリバレルというテクニックだ。
BBSのRSに代表される3ピースホイールの、アウターのリムのみを別のホイールのリムと組み合わせて理想のサイズを実現する手法がリバレルだ。最近では専用に切削した社外のアウターリムがリリースされている。なかには元々15インチだったものを16インチにする、ステップリバレルを実現する特殊なリムも販売されている。
「このBBS RSは16インチのディスクを18インチにするリムを使ってリバレルしてます。最終的にホイールサイズは18×10J+18程度。これに225/35R18サイズのタイヤを組み合わせてます」
装着してしまえばただのホイールだが、“こーたろーさん”にとってはこだわりの逸品。こういった見えない努力によってこの車高を実現しているというわけだ。
