進化し続けるSTIは高性能4WDスポーツの象徴として多くのファンを魅了
WRCでの活躍をそのまま市販車に反映させたのが、スバルのモータースポーツ部門であるSTI(スバルテクニカインターナショナル)が手掛け、その後のヒット作となったWRX STIシリーズです。1994年に100台限定で発売されたファーストモデルはラリー直系モデルとして人気を博しました。
その後、STIモデルは年次改良を重ねながら、バージョンIIIからはカタログモデルとして定着。2000年の販売終了までに6度の進化を遂げました。その戦闘力の高さはラリーベース車としてだけでなく、サーキット派などの走り好きからも高い支持を集め、WRXは三菱ランサー・エボリューションとともに高性能4WDスポーツモデルとしてひとつの地位を確立しました。
さらに、WRC譲りの高性能をイージーに楽しめるように、WRXにオートマチックモデルを設定。一部のマニアだけでなく、幅広い層から支持を得ました。レガシィが新生スバルの基礎を築き、インプレッサで質を磨き上げることで走りのイメージを確立。そのイメージリーダーとしてWRXの果たした役割は大きいといえます。
出品されたのは1995年式WRX STIバージョンII
1992年から2000年のモデルライフのなかで幅広いバリエーションを誇るインプレッサWRX。今回オークションに出品されたのは1995年式のSTIバージョンIIです。これは1995年8月から1996年3月までの期間限定の受注生産されたモデルで、大容量ターボチャージャー、大型空冷インタークーラーを搭載し、ノーマルWRXの260psから275psまで引き上げられています。
出品車のエクステリアはフロントにリップスポイラー、リアには限定車の22B STIを彷彿させる大型スポイラーを装着。さらに、斜め出しの砲弾タイプマフラー、バンパーから覗く大型のインタークーラーなど、オリジナルから性能が引き上げられていることを主張します。足もとにはWRCでタッグを組んだプロドライブ製のアルミホイールを奢るなど、センスの良さも感じます。
チューンドカーの趣味性の強さが、売約に至らなかった理由か?
車両は2005年に日本からイギリスに渡り、その後ふたりのオーナーによって大切に乗り継がれてきました。走行距離が6万5677マイル(約10万5000km)に到達したこのチューンドモデルの推定落札価格は1万ポンド〜1万2000ポンド(邦貨換算約198万円〜約237万円)とされていましたが、残念ながら今回は落札合意には至りませんでした。とはいえ、クルマの内容を考えると決して高すぎることはありませんが、チューンドカーは趣味性が強く、好みがはっきり分かれるのも事実。求めるオーナーが現れれば、即決での売買契約も十分ありえるでしょう。


































































