クルマ好きなら誰もが楽しめる「ワンダーランド・マーケット」
2025年7月20日(日)、神奈川県横浜市の横浜産貿ホールで『第120回 ワンダーランド・マーケット』が開催されました。これは1981年からの長い歴史を誇る、我が国有数のアンティークトーイ・イベントです。イベントを主催するのは、1976年創業のアンティークトーイ専門店『サンセット』。同店の代表、宇野規久男さんは自身も熱心なコレクターであり、テレビ東京で放映中の『何でも鑑定団』にクルマ系オモチャの特別鑑定士として出演していることでも知られています。
近年は年季入りのコレクターから若者までと来場者が多様化
そんな日本最古のアンティークトーイ・イベントは今回も大盛況。広い会場はビンテージ・ミニカー専門店から個人のコレクターまでが出展する多数のブースで埋め尽くされた。その内容は多彩で、戦前の古いミニカーから近年のトミカやホットウィールまでと、クルマ好きなら誰もが楽しめるはず。年季の入ったコレクターはもちろん、“昭和レトロなカワイイ”が好きな若いマニアまで、近年は来場者も多様化。海外からも多くのファンが集まった。そんな熱気あふれる会場から、気になるブースをいくつかご紹介してみよう。
OT オートモーティブ サービス
某大手自動車パーツメーカーを定年退職した自動車好き歴50年超の戸井さんが営む同店が扱うオートモビリア(自動車関連グッズ)の数々は、そのほとんどが本場・欧米の蚤の市で見つけてきた掘り出し物ばかり。
「航空運賃も高くなりましたし円安だし、商売としては厳しいですけれど、楽しみにしてくれるお客さんの顔を見ると苦労も報われます」
1950〜1960年代のビンテージ・ミニカー、モーター系キーホルダーやピンバッジなど、ブースの雰囲気はまるでパリのレトロモービルのようだ。

MATSUMOTO DESIGN
『MATSUMOTO DESIGN』と聞いても馴染みがない方も多いかと思うが、下の写真のイラスト群を見てピンときた方もいらっしゃるのではなかろうか。作者の故・松本光正さん(1944–2008年)は、工業デザイナーにしてイラストレーター。1960年代にトミー工業株式会社(現タカラトミー)に入社し、そのキャリアをスタートさせた。
1973年には有限会社マツモトデザインを設立し、長年ミニカーのパッケージ・イラストを手がけ、その数はじつに400点以上になるという。MATSUMOTO DESIGNでは、それら残された原画をベースに、さまざまなオリジナルグッズを展開しているというわけだ。
溝呂木陽さん
自動車専門誌などで活躍するイラストレーターである溝呂木陽さんは、模型好きとしても知られているこのイベントの常連だ。ブースでは、毎回自ら製作したプラモデルや、自身が出版しているクルマの画集、自動車模型の雑誌などを展示・販売している。並べられたプラモデルの作例は、そのほとんどが1/24スケール。タミヤのミニはブロードスピードカラー、レベルのジャガー「XK120」はル・マン仕様、エブロのシトロエン「DS19」はモンテ・カルロ・ラリー仕様に仕上げるなど、キットをそのまま組み立てるのではなく、一手間加えたカスタマイズが素敵だ。

というわけで、ご紹介したのはワンダーランド・マーケットに出展する数多くのブースのなからのごく一部だが、クルマ好きなら誰もが楽しめることは感じ取ってもらえたと思う。次回も神奈川県横浜市の横浜産貿ホールで12月21日に開催とのこと。気になった方はぜひ会場へ。


































































