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35年間連れ添い続けるシトロエン「DS23パラス」!半世紀経っても直せる理由とは

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TEXT: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)  PHOTO: 勝村大輔(KATSUMUTA Daisuke)

  • シトロエン DS:1本スポークのステアリングに3つのメーターが配置される
  • シトロエン DS:ヘッドライトはDS特有のシステム、ハンドルを切ると、内側のライトがハンドルを切った方に向くステアリング連動ライト。メカニカル動作になるが、50年以上前から採用されていた
  • シトロエン DS:スタイリストのフラミニオ・ベルトーニが苦心したCピラーの造形
  • シトロエン DS:流線型のデザインを採用し、ボンネットはアルミ、ルーフがFRPといった最先端素材を積極的に導入した
  • シトロエン DS:リアのトランクに装着されるエンブレム
  • シトロエン DS:オーナーの石附さんは約35年間愛用している
  • シトロエン DS:リアのマスコットエンブレムもシンプルに配置される
  • シトロエン DS:ウインカーはルーフラインに沿って取り付けられている
  • シトロエン DS:1975年式のDS23パラスで、並行輸入された個体を約35年間所有している
  • シトロエン DS:ホイールキャップも世代やグレードによって数種類が存在。最終型の豪華版「パラス」は、このタイプとなる
  • シトロエン DS:流麗なボディラインが美しい
  • シトロエン DSとオーナーの石附さん

世界中にマニアがいるのでパーツ探しに困ることは一切ない!

「このクルマは文化遺産だと思っています」。そう語るのは、約35年にわたり1975年式のシトロエンDS23パラスを愛用し続ける石附さん。流麗なボディラインと独創的なメカニズムを備えたこの名車は、今もなお現役で走り続けています。サクラオートヒストリーフォーラムの会場で、そのこだわりと想いを聞いてみました。

ハイドロニューマチックサスは現代のクルマに負けない乗り心地

国産旧車から海外のビンテージカーまで、さまざまな車両が集まった会場でひときわ存在感を放っていたのが、このカッパーブラウンのシトロエンDSだ。スポーツカーが数多く並ぶ中でも、その流麗なボディラインは独特のオーラを漂わせていた。しかも「横浜34」という古いライセンスを掲げている。オーナーの石附さんに話を伺った。

「このクルマは1975年式のDS23パラスで、並行輸入された個体を入手し、約35年乗っています。当初はカブリオレが欲しくて探していたのですが、程度の良いこのセダンを発見し、ひと目惚れしました。ボディの状態は非常に良いと思います。エンジンや油圧系も調子が良いので快適に走れますよ。とくにハイドロニューマチックサスペンションの乗り心地は現代のクルマにも負けません。DSは本当にいいクルマですよ、故障しなければね(笑)」

1950年代に登場し20年間生産された前衛的なスタイル

シトロエンDSは1955年に登場したシトロエンの上級モデルで、当時のフランス車としては異例の大型ボディを持つ。流線型のデザインを採用し、ボンネットはアルミ、ルーフがFRPといった最先端素材を積極的に導入した。こうした先進的な試みが評価され、1975年まで生産されたロングセラーモデルである。

足まわりには、エンジン回転で駆動するポンプの油圧で作動する車高調整装置とエアサスペンションを組み合わせた「ハイドロニューマチックサスペンション」を採用。ほかにも先進的な機能が多数導入された。石附さんのDSは、そんなシリーズ最後期のモデルだ。エンジンはデビュー当初の1.9Lから進化を重ね、最終的に2347ccのインジェクション仕様となり、登場時の倍近いパワーを発揮。現代の交通状況でも十分に快適に走行できる。

DSという文化遺産を後世に残す

最後期のモデルとはいえ、すでに半世紀が経過しているクルマだ。ハイドロニューマチックを整備できるショップも少なくなってきていると聞くが、もっとも気になるのはパーツ供給の状況だ。この点について伺うと、意外な答えが返ってきた。

「普段から消耗パーツの入手は心がけています。しかし、シトロエンDSは世界中にファンがいるので、パーツも世界的に流通していて社外品も豊富にあります。しかも日本にはDSのクラブがあって、クラブメンバー同士でパーツを融通し合ったりするので、本当に困ることは少ないと思います。

ただ最近はイベントに来る人も徐々に少なくなってきましたし、オーナーの年齢層もかなり高くなっています。私はこのクルマを文化遺産だと思っています。だから自分の役目は、後世にきれいな状態でこのクルマを残すことですね。まだまだしっかりと維持していきますよ」

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