575馬力に車重1490kgのカーボン製軽量ボディ
エクステリアとインテリアのデザインが大幅に見直されていることもGTの特徴だ。前後のフェンダーはトレッドの拡大に対応するためによりワイドな造形となり、ボンネット上には大型のエアアウトレットを装備。ルーフ後端に備わるエアインテークはシングルタイプとなり、さらにテールエンドにはリアビューカメラが内蔵される専用デザインのウイングとディフューザーが、フロントのバンパースポイラーと同様にカーボン素材がクリア塗装されたのみの、スパルタンなフィニッシュで組み合わされている。
ちなみに、このGTでランボルギーニが実現したウェイトは、わずか1490kgだ。これはルーフと左右のドアを除いてボディをカーボン製としていること、そしてインテリアにおいても軽量性を追求するための策を講じたことによる相乗効果によって実現されたものである。
オークションで証明された「伝説」の価値と相場の高騰前兆
ランボルギーニはGTの生産台数を80台に限定したが、実際に購入を希望したカスタマーはそれをはるかに上まわる数だった。もちろんその人気はデビューから25年以上が経過した現在においても変わることはなく、貴重なコレクターズアイテムとしてランボルギーニのエンスージアストから常に強く意識される存在であり続けている。
今回RMサザビーズがモントレー・オークションに出品したモデルは、80台のGTで67番目にラインオフされたもの。イタリアのミラノにあるツーリング・オートにデリバリーされた後、ファーストオーナーの手に渡った記録が残っている。ボディカラーはGTのコマーシャルカラーであるアランシオ・アトラス。オレンジとブラックの美しいコントラストをなすインテリアとのコンビネーションも、新車時から変わっていない。
現在までに6万3566kmを走行した出品車は、これまでのオーナーによって定期的なメンテナンスを受けてきた。とくに2017年にスイスのランボルギーニ・サンガレンで行われたV型12気筒エンジンのオーバーホールは特筆すべき点だ。さらに2024年には同ディーラーによって、ミッションを含むオイル交換や、ブレーキとクラッチのフルード交換、ハンドブレーキシステムの修理、ドアのワイヤーハーネス点検なども行われている。
RMサザビーズは、このディアブロGTに対して130万ドル〜160万ドルの予想落札価格(日本円で約1億9135万円〜2億3550万円)を設定。その希少価値とコンディションの良さを考えれば当然の評価だと入札者も納得したのだろう。最終的には143万5000ドル、約2億1120万円という価格で落札された。ここ数年でクラシックとしての価値を大きく高めているディアブロ。このGTのオークション結果が、今後さらにディアブロシリーズのクラシック市場における評価を高める追い風となるのは間違いないだろう。


















































































