ラルフ・ローレン氏所有の世界に2台しかないモデナイエロー
今回RMサザビーズのモントレー・オークションに登場したF50は、349台のうちわずか55台しか存在しないアメリカ仕様だった。さらに、そのファーストオーナーは、ニューヨーク出身のファッションデザイナーであり、世界有数のカーコレクターとしても知られるラルフ・ローレン氏だ。氏がコレクションを売却することはきわめて異例であることに加え、ジャッロ・モデナ(モデナイエロー)のボディカラーを持つF50は、世界にわずか2台しか存在しないことも、このオークションで熱い視線が集中した大きな理由となった。
ローレン氏は2003年までこのF50を所有し、約3300マイル(5280km)を走行した。その後、バージニア州のフェラーリディーラーを通じて、同年冬に現在のオーナーによって購入されたが、そこから走行距離はわずか100マイル(約160km)しか増えていない。
そしてこのF50は、モントレー・オークションで衝撃的な結果を残した。
落札価格は924万5000ドル(邦貨換算約13億6068万円)。これまでのF50の歴代最高価格553万232ドルを大きく上まわるもので、2025年のRMサザビーズのモントレー・オークションでは全出品車中第3位の結果となった。
ちなみに、1995年にF50が登場した際の日本における正規輸入モデルの価格はわずか5000万円だった。その価値は30年という時間を経て、13億円以上も高まったことになる。たしかに、そのオーナーヒストリーやコンディションの素晴らしさを考えれば、この価格も十分に理解できる。今回のオークションは、F50というスペチアーレがこれからさらにどれほどの評価を与えられていくかを占ううえで、大きな意味を持っていた。




















































































































