3世代前のV12 2シーターモデルが新車価格からわずか1万ドル落ち
はたしてこの599GTBフィオラノには、現在どのくらいの価値があるのだろうか。フェラーリのV型12気筒2シーターのシリーズモデルは、2012年に「F12ベルリネッタ」が登場。2017年には「812スーパーファスト」に、そして2024年には「12チリンドリ」へとモデルチェンジされている。数えて3世代前のモデルとなる599GTBフィオラノは、比較的入手しやすいモデルになったと考えることもできる。
ここではその参考のひとつになるだろう。先日RMサザビーズが開催したモントレー・オークションに出品した2008年式599GTBフィオラノのディテールと落札価格を報告する。
オークションに参加した入札者がまず注目したのは、当時並行して生産されていたV8ミッドシップのF430を含めても、フェラーリにとってはわずかに2台目の例だったというブルー・マリナーのボディカラーとベージュのレザーインテリアのカラーコンビネーションだった。
さらにオプションとしてカーボンファイバー製のドライビングゾーンとキャビンゾーン、レザーバックレスト付きのデイトナスタイルシート、イエロー・ブレーキキャリパー、パーキングセンサー、6CDチェンジャー付きBOSEハイファイシステムなどがチョイスされた。その結果、デリバリー時のプライスはスタンダードな仕様の31万2395ドルから37万8164ドルにまで高まったことが記録されている。
現在までの走行距離は1万1200kmに満たない。内外観のコンディションはきわめて良好で、オークション出品前には定期的なメンテナンスも施されているとカタログには明記されていた。
RMサザビーズが599GTBフィオラノに設定したエスティメート(予想落札価格)は25万ドルから30万ドル(邦貨換算約3680万円から4415万円)であった。これは車両のコンディションやカラーコーディネイトの希少性などが高く評価された結果であり、さらには今後クラシック・フェラーリとして599GTBフィオラノがさらなる価値を生み出すだろうという期待感も含まれていたに違いない。
そして最終的にこの599GTBフィオラノは、エスティメートを超える36万8000ドル(邦貨換算約5416万円)という価格で落札されるに至った。あらためて計算してみれば、新車時からの値落ちはわずかに1万ドル弱である。フェラーリというブランドが持つバリューはやはり絶大なものだ。




































































































