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「父の愛車をもう1度走らせたい」!35年前に購入して長い眠りについていた英国車ヒルマンを家族で再生

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

倉庫保管でも15年間の冬眠は想像以上に各部を蝕んでいた

倉庫での保管とはいえ、15年間の間にブレーキは固着し、クラッチも張り付いていた。兄の敦さんとともに週末は修理に明け暮れた。

そして、いよいよ試運転のときがやってきた。平坦な道では問題なく走るが、坂道になると息継ぎする症状が出た。燃料フィルターがすぐに赤くなることから、やはりタンク内のサビが原因であると特定。再び燃料タンクを下ろしての作業となった。

「1度、タンク内部は洗浄していたのですが、甘かったようで。今度はタンクを重曹で洗浄したり、兄や父と一緒にボルトを入れたタンクを揺り、徹底的に燃料タンク内部のサビ取りをしました」

そして3週に及んだ作業の結果、小さなかさぶたのようなサビも完全に除去した。再びタンクを取り付け試走すると、今度は坂道でも問題なかった。

ツインキャブレター化でエンジンレスポンスが向上

「よし、これで車検を取りに行こうと思ったのですが、兄がポツッと囁いたんです。『もう少しパンチがあったほうがいいな』って(笑)。確かに僕もそう思ったので、ヤフオクで見つけたインマニでツインキャブレター化しました」

運良く当時のイギリスのチューニングメーカー「アレキサンダー」のインマニを手に入れ、キャブレターは英国SUではなく、日本で生産された日立SUを使いリーズナブルに仕上げた。同調させるリンケージは兄の敦さんのお手製である。

こうして、近藤家に35年前からあるヒルマンが再び路上へと復帰した。

「ようやく子育てもひと段落したので、ヒルマンとクラシックカーイベントを楽しんでいきたいですね」

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