倉庫保管でも15年間の冬眠は想像以上に各部を蝕んでいた
倉庫での保管とはいえ、15年間の間にブレーキは固着し、クラッチも張り付いていた。兄の敦さんとともに週末は修理に明け暮れた。
そして、いよいよ試運転のときがやってきた。平坦な道では問題なく走るが、坂道になると息継ぎする症状が出た。燃料フィルターがすぐに赤くなることから、やはりタンク内のサビが原因であると特定。再び燃料タンクを下ろしての作業となった。
「1度、タンク内部は洗浄していたのですが、甘かったようで。今度はタンクを重曹で洗浄したり、兄や父と一緒にボルトを入れたタンクを揺り、徹底的に燃料タンク内部のサビ取りをしました」
そして3週に及んだ作業の結果、小さなかさぶたのようなサビも完全に除去した。再びタンクを取り付け試走すると、今度は坂道でも問題なかった。
ツインキャブレター化でエンジンレスポンスが向上
「よし、これで車検を取りに行こうと思ったのですが、兄がポツッと囁いたんです。『もう少しパンチがあったほうがいいな』って(笑)。確かに僕もそう思ったので、ヤフオクで見つけたインマニでツインキャブレター化しました」
運良く当時のイギリスのチューニングメーカー「アレキサンダー」のインマニを手に入れ、キャブレターは英国SUではなく、日本で生産された日立SUを使いリーズナブルに仕上げた。同調させるリンケージは兄の敦さんのお手製である。
こうして、近藤家に35年前からあるヒルマンが再び路上へと復帰した。
「ようやく子育てもひと段落したので、ヒルマンとクラシックカーイベントを楽しんでいきたいですね」









































