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WRCレプリカ仕様のランチア「デルタHF 16V」が約411万円で落札!ワンオーナー車が低価格で落札された理由とは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Bonhams

  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams
  • 2万700ポンド(約411万円)で落札されたランチア「デルタHFインテグラーレ16V」(C)Bonhams

ワークスマシンの外観だが年式相応の劣化もある

2025年9月に英国グッドウッドで開催された「リバイバル2025」の公式オークションに、ランチア「デルタHFインテグラーレ16V」が出品されました。1989年の登場以来、WRC6連覇を支えた名車として知られるモデルです。今回の個体はワンオーナーで整備履歴も明確な個体でした。エヴォモデルが高騰するなか、16Vの市場価格がどう動くか注目を集めています。

ファミリーハッチバックから史上最強のラリーウェポンへ

1979年に登場し、1980年には「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたランチアデルタは、ジウジアーロ・スタイルのファミリーハッチバックであった。ところがデルタは、その後一足飛びに史上もっとも称賛されたラリーカーのひとつへと進化を遂げたのである。

デルタHFインテグラーレは、ターボチャージャーつきエンジンを搭載した4輪駆動「ホットハッチ」の開祖的存在である。最大の目的であったWRC(世界ラリー選手権)では、グループA時代初年度の1987年シーズンから1992年シーズンにかけて計46勝を挙げた。これにより、6年連続のコンストラクターズタイトルを獲得した。この実績は、ユハ・カンクネンとミキ・ビアシオンにドライバーズチャンピオンシップタイトルをもたらし、ランチアのモータースポーツ史における地位を決定的なものとした。

16V化に伴いタービンや燃料系をアップデート

デルタHFインテグラーレとしては初の改良版となったHFインテグラーレ16Vは、1989年ジュネーヴ・モーターショーで発表された。同年、WRC最終戦にあたる「サンレモ・ラリー」に実戦投入され、順当なデビューウィンを獲得した。

ファーストモデルである通称「8V」から発展したターボチャージャー付き2L直4 16バルブエンジンを搭載し、15psアップに相当する200psをマークした。0-100km/h加速は5.7秒、最高速度は220km/hに達する。これは現代のホットハッチにも劣らない速さである。

前年の8Vからの技術的改良点としては、燃料インジェクターの大容量化やギャレットT3ターボチャージャーのアップデートが施された。前後トルク配分は8V時代の前後50%ずつから、フロント47%:リア53%へと変更されている。またインタークーラーの強化に加え、無鉛ガソリンにも対応することになった。

ヘッドが大型化したエンジンを収容するため、ボンネットは隆起している。よりワイドなホイールとタイヤが組み合わされている一方で、車名を記すエンブレム類の変更は最小限に抑えられた。いかにも名門ランチアらしい上品な仕立てである。このHFインテグラーレ16Vは、デルタの系譜において最も魅力的な進化形のひとつとする見方もある。

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