新車級の個体がオークションに登場!
スーパーカーの代名詞、ランボルギーニ「カウンタック」。そのシリーズのなかでも「カウンタックの最良モデル」だと断言する根強いファンも多い「5000QV」は、1980年代を象徴するスーパーカーです。今回のブロードアロー・オークションズ社が2025年8月の「モントレー・ジェット・センター・オークション」に出品したのは、なんと37年間ワンオーナーで大切に保管されてきた貴重な個体でした。
革新的な「ウエッジシェイプ」と「逆向きミッドシップ」
ランボルギーニは、スーパーカーの始祖ともいえるミウラの後継モデルの開発を、「LP112」のプロジェクト・コードを掲げ、1970年代を迎えた頃にスタートさせた。
「カウンタック」という車名が与えられ、プロトタイプ「カウンタックLP500」が披露されたのは1971年のジュネーブ・ショー。このプロジェクトが驚異的なスピードで進行したことは容易に理解できる。
だが、カウンタックの生産型、ファーストモデルとなった「LP400」が誕生するまでには、それからさらに2年の時間が必要だった。しかし、LP400は瞬く間にスーパーカーの世界におけるトレンドセッターとなった。
当時ベルトーネのチーフデザイナーであったマルチェロ・ガンディーニによって描かれたボディ形状は、1968年作のアルファ ロメオ「カラボ」や、1970年作のランチア「ストラトス ゼロ」といったコンセプトカーと同様に、革新的なウエッジシェイプを特徴とする。
また、V型12気筒エンジンと5速MTからなるパワートレインを、車体の後方から一般的なフロントエンジン車とは前後逆方向に搭載するという、パオロ・スタンツァーニによるエンジニアリングも、カウンタックという新型スーパーカーの斬新さを強調する大きな理由であった。
テスタロッサに対抗した最終進化形「5000QV」
LP400に搭載されたV型12気筒エンジンは、3.9Lの排気量から375psの最高出力を得た。だが、1978年に登場した「LP400S」では353psへとわずかにダウンしている。
ランボルギーニは1982年、排気量を4.7Lにまで拡大した「LP500S(5000S)」を市場に投入した。LP400と同様の375psというスペックを再び実現した。
1984年、ライバルのフェラーリは4.9LのV型12気筒DOHC 4バルブエンジンを搭載するテスタロッサを390psでデビューさせた。これに対抗するため、ランボルギーニは排気量を5.1Lに拡大し、DOHC 4バルブヘッドを与えた「5000QV」を1985年に発表した。ちなみにQVとはクアトロ・バルボーレ(4バルブ)の意味だ。ダウンドラフト型のウェーバー製キャブレターが組み合わされたヨーロッパ仕様では、最高出力は455psを発揮するに至っている。










































































































