黄金時代のグランプリカーと幻のFWDモデルに遭遇
当時の館内にあったクルマをいくつか紹介しよう。館内に入って最初の展示ブースに置かれていたのが、ダラック8/10hpである。フランスのダラックがイタリアに進出した時にこのクルマを作った。数年でダラックが撤退し、それを受け継いで生産したのが当時のA.L.F.A.(アノニマ・ロンバルダ・ファブリカ・アウトモビリ)、つまりアルファロメオの前身であることから、アルファはこのクルマを自らの起源としている。
美しいヘアラインの入るシルバーの展示台に並べられたのは、アルファ黄金時代のグランプリカー159だ。戦前の158と並んでアルファに栄冠をもたらした名車である。ちなみに158の方は、出場したすべてのレースで勝利するという華々しい活躍をしたマシンであった。
そして、完成したアルファ ロメオ博物館の本(カースタイリング出版刊)は、筆者にとって初の出版物となった。表紙のTZ2の写真は、筆者が正面から撮影したものである。この写真は三栄書房に行ったきり帰ってきていないが、同じアングルのTZ1の写真は手元にあった。
大好きだったティーポ33ストラダーレも展示されていた。取材はほぼ1週間近くここに逗留して写真撮影とインタビューなどを行ったが、役得でティーポ33の前でポーズをとらせてもらった。
ティーポ103は、1959年にアルファが開発を進めた初のFWDモデルだ。アルファらしく排気量はわずか0.9Lだったが、DOHCヘッドを持っていた。結局量産化されることはなく、3基作られたというエンジンと共に、アルファの博物館に展示されている。生産されたのは恐らくこれだけである。このデザインとアイデアはそっくりルノーに受け継がれ、ルノー8はFWDをRWDにして世に送り出された。デザインもティーポ103にそっくりだ。
コンセプトカーも多く展示され、1960年代後半に多く作られたモデルがここにあった。カラーボもその1台だ。隣にあるのは1968年のモントリオール万博に展示されたモデルである。これは後にモントリオールとして量産されるが、コンセプト段階ではV8ではなく直4が搭載されたモデルだった。
当時館内には80台のクルマの他に、飛行機や模型なども展示されていた。そして膨大な資料も隣の資料センターに保管されていて、ここから多くのモノクロ写真やポジなどを借りた。
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