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VW空冷「ビートル」が“着地”!驚きのエアサス・ローライダー仕様を発見

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TEXT: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)  PHOTO: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)

  • オーナーの吉竹さんとフォルクスワーゲン ビートル
  • フォルクスワーゲン ビートル:ステアリングは、ツイステッドバーを加工して自分で製作した
  • フォルクスワーゲン ビートル:トラディショナルスタイルのローライダーということで、まずはボディをオリジナルに忠実にレストアした
  • フォルクスワーゲン ビートル:ウインドウにはパッシングアイミラーを装着
  • フォルクスワーゲン ビートル:厳選した当時モノのアクセサリーを装着
  • フォルクスワーゲン ビートル:ターンシグナルランプも装着されている
  • フォルクスワーゲン ビートル:リアのフェンダーにはスカートが装着されている
  • フォルクスワーゲン ビートル:スワンプクーラーと呼ばれる初期の熱交換型クーラー
  • フォルクスワーゲン ビートル:吉竹さんは、純正のサスペンションシステムを自ら加工し、四輪独立のエアバッグをインストールした
  • フォルクスワーゲン ビートル:フロントフェンダーの後端や側面にあるランニングボードと呼ばれるステップ部分は、完全に地面に接触している
  • フォルクスワーゲン ビートル:エンジンルームも驚くほど綺麗だ
  • フォルクスワーゲン ビートル:基本的なスタイルが完成したのは2017年で、その年のホットロッドカスタムショーで『Best '50s』という賞をいただいたようだ
  • フォルクスワーゲン ビートル:吉竹さんは静岡の老舗カークラブのメンバーで、もともとローライダーカスタムには造詣が深い
  • フォルクスワーゲン ビートル
  • 1958年式のフォルクスワーゲン ビートル

地面に接触するほど低い「グラウンドタッチ」を実現

東京・お台場の駐車場で開催されたムーンアイズ主催のストリートカーナショナルズには、ひときわ異彩を放つ1台がありました。フォルクスワーゲンの初代「ビートル」をベースに、エアサスを使って現代のローライダーの世界観を投入した独自のカスタムスタイルです。このクルマを紹介します。

ローライダーの哲学をビートルに落とし込む

ストリートカーナショナルズの会場には、さまざまなクルマがエントリーしている。アメリカ車や日本車に次いで大勢力となっているのが、ドイツのフォルクスワーゲンで空冷エンジンを搭載する初代ビートルである。アメリカでカスタム文化が成熟したビートルは、ドイツ車ながらアメリカの香りがするクルマとして人気だ。

その多くがストックスタイルか、ドラッグレース由来のスピードカスタムが施された「キャルルック」と呼ばれるスタイルとなるが、会場で発見したのは、トラディショナルなローライダーカスタムが施されたクルマである。よく見れば車高もかなり低く、フロントフェンダーの後端や側面にあるランニングボードと呼ばれるステップ部分は、完全に地面に接触してしまっている。早速クルマの傍にいたオーナーの吉竹さんにお話を伺ってみた。

「かつてシボレーのC10に乗っていたんですが降りちゃって。しばらくのブランクの後、今から10数年前にこの1958年式ビートルに出会って購入しました。じつは子供の頃、父がビートルに乗っていたのでアメリカ車同様ビートルも好きなんです。そこで、これまでビートルでは先例の少ないローライダーカスタムにチャレンジすることとなったんです」

吉竹さんは静岡の老舗カークラブのメンバーで、もともとローライダーカスタムには造詣が深い。そのローライダーのエッセンスをビートルに落とし込んでいったのである。トラディショナルスタイルのローライダーということで、まずはボディをオリジナルに忠実にレストアした。

ここにリアのフェンダースカートやルーフバイザー、スワンプクーラーと呼ばれる初期の熱交換型クーラーなど、厳選した当時モノのアクセサリーを装着。見事にビートルをローライダーに仕立てることに成功した。

純正サスを自ら加工して四輪独立のエアサスをインストール

ちなみにローライダーというと、足まわりはハイドロリクスと呼ばれる油圧シリンダーによる車高調整装置を装着しているのがポピュラーである。しかし、車体が小さなビートルでは、できるだけ省スペースなシステムが必要となる。そのため、エアサスペンションをチョイスした。

吉竹さんは、純正のサスペンションシステムを自ら加工し、四輪独立のエアバッグをインストールした。これにより、通常のローダウン程度から写真のように地面に接触するまでの車高調整を可能としている。

「基本的なスタイルが完成したのは2017年で、その年のホットロッドカスタムショーで『Best ’50s』という賞を頂きました。その後も徐々に自分なりにカスタムを続けていて、今でも気になった部分はこまめに改良をしたり、ディテールアップを欠かさないようにしています」

吉竹さんは金属加工のエンジニアとして働いており、現在はそんな経験を活かしてバイク用やクルマ用のパーツを製作するアーティストとしても活躍中だ。このクルマのステアリングも、ツイステッドバーを加工して自分で製作した。今後もこのクルマの進化は続くことになりそうである。

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