タミヤ、ホンダ、日下エンジニアリングのトリプルコラボ!東京・新橋で公開!
エンジン専門のスケールモデルという独自のジャンルを切り開き、他に類を見ない商品で躍進を続ける鳥取県米子市の「日下エンジニアリング」。その新進気鋭の模型メーカーと、世界有数の総合模型メーカー「タミヤ」がコラボレーションした「Honda RA272 First Victory Memorial Set」が、2025年12月18日〜12月25日でタミヤのアンテナショップ「タミヤプラモデルファクトリー東京」で展示されます。
タミヤと日下エンジニアリングのF1アイテムが初共演
「Honda RA272 First Victory Memorial Set」は、1965年にホンダがF1で初優勝を飾ったマシン「RA272」のタミヤ製20分の1プラスチックモデルと、そして同マシンが搭載するRA272Eエンジンを日下エンジニアリングが6分の1スケールで精密に再現したエンジンモデルを組み合わせた、ビックスケールな商品だ。すでに11月15日〜16日、ツインメッセ静岡で開催された「タミヤフェア2025」で発表済みだが、関東エリアの模型ファンにも実物を見てもらおうと企画されたのが今回の展示だ。
このコラボレーションを繋いだのは自動車メーカーの「ホンダ」だ。2024年、ホンダF1参戦60年記念事業において、日下エンジニアリングが歴代ホンダF1のエンジンモデル製作を担ったことがすべての始まりである。
一方、模型ファンなら周知のとおり、タミヤもホンダとの関係は長い。その歴史は58年前の1967年にまで遡る。当時のタミヤ社長である故・田宮俊作氏が、F1マシンの模型化の承諾を得るためにホンダ(本田技研)にアプローチしたことが記念すべき第一歩だった。こうして誕生したのが、当時現役マシンであったホンダRA273の20分の1スケールモデルである。

タミヤ・田宮俊作会長の逝去がモデル製作のきっかけに
「作るからには形だけでなく、すべてを本物そっくりに」という田宮社長の号令のもと、念入りな取材と検証が行われ、完成したスケールモデル第1号は当時の本田技研の社長である本田宗一郎氏に贈呈された。「日本の模型屋もここまでやるようになったか」という賛辞は、いまなお語り草だ。
この精巧なF1模型は海外でも発表され、タミヤの名前をグローバルに知らしめるとともに、同社のプラモデル史における重要な存在となった。やがて「タミヤから模型化を依頼されることが、このカテゴリーで認められた証」とF1チームから語られるほど、同社のブランド価値を高める結果にもつながった。言い換えれば、タミヤは日下エンジニアリングにとって、ホンダF1模型の先達にあたる存在といえる。
「7月22日、実機のスキャニングでもてぎのコレクションホールを訪問したときに、ホンダさんから、『2025年のタミヤフェアにRA272(R273も)の実車を展示するので、そのタイミングでRA272のエンジンモデルを展示しませんか?』という提案いただきました。その帰路に、タミヤの田宮俊作会長の訃報を知り、『メモリアル的なものを作れませんか』とあらためてホンダさんに相談したのがきっかけです」。そう語るのは日下エンジニアリングの佐々木 禎代表だ。
コラボは一時暗礁に乗り上げるも佐々木代表が諦めなかった理由とは?
同社はこれまでも、実車のスケールモデルと搭載エンジンを組み合わせた商品を手掛けていた実績がある。また、タミヤが過去にプラスチックの完成品を販売していたことも思い出し、タミヤ製作のRA272のプラモデルと自社のRA272Eのエンジンモデルを組み合わせる構想は、自然と脳裏に浮かんだという。
すぐにホンダを通じてタミヤに打診したものの、「現在は完成品を製作しておらず、仮に対応するとしても承認に時間を要します」との回答に、話は暗礁に乗り上げた。しかし、佐々木代表はそこで引き下がらなかった。その背景には、生前の田宮俊作会長と交わした言葉にある。
「2023年、タミヤ本社で初めてお目にかかった際、『タミヤがF1チームから模型を作ってほしいと言われたように、自動車メーカーから日下にエンジンモデルを作ってほしいと依頼される会社にしたい』とお伝えすると、『エンジンに目を付けたのはいいね』とニヤリとされて、『F1のエンジンもするといいよ』と。その言葉が、いまのF1エンジンモデル製作に繋がっていると感じています」




















































