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ドリフトはもう全部アウト?「危険運転致死障害罪」との明文化が投げかけた波紋【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: トーヨータイヤ(TOYO TIRES)

安全技術としての側面を持つドリフトは使い方を間違えない理性が大切

問題は、公道と競技の線引きが長いあいだ曖昧だったことにあります。クルマ文化が成熟する過程で、「走る場所」と「試す場所」をきちんと分ける努力が、社会全体として十分だったかと問われれば、胸を張って肯定はできません。今回の法整備は「危ないから禁止」という単純な話ではなく、「場所を間違えるな」という強いメッセージだと受け取るべきだと思います。

包丁は凶器にも調理道具にもなります。銃はクマ退治にも使えますが、凶器にもなります。すべては使い手次第なのです。それと同様に、ドリフトはモータースポーツとして成熟しているのに、これをきっかけに白い目で見られるようなことになるのが心配です。

ドリフトを愛してきた人たちの多くは、決して無法者ではありません。クルマが好きで、操ることが好きで、その延長線上にドリフトがあった。だからこそ今、問われているのは覚悟です。公道では一切やらない。その代わりに、走るべき場所で正々堂々と腕を磨く。その線を、自分たち自身が引けるかどうか。

あるいは安全に走るための技術として、ドリフトコントロールが注目されてもいます。雪国ではごく穏やかな速度域でもタイヤがスリップし、結果的にカウンターステアで回避することも頻繁に発生します。ドリフトは安全のために不可欠なテクニックでもあるのです。

法改正でドリフトをどう定義しているのかが気になります。危険を誘発するドリフトと、安全のためのドリフトが混同されていないか、これもしっかりと注視したいと思います。

クルマは凶器にもなり、道具にもなり、芸術にもなります。どれになるかは、使う場所と、使う人次第です。だからこそ今は、静かにハンドルを握り直し、「どこで、どう走るべきか」を考える時期なのかもしれません。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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