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マセラティ「ボーラ」が約2210万円で落札!希少な右ハンドルの英国仕様は買い時?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Bonhams

ボーラの権威からも「過去最高」と称賛された!個体がライバルの馬や牛に遥か届かぬ落札結果

昨2025年末のボナムズ「The Bond Street Sale:Important Collectors’ Motor Cars and Automobilia」オークションに出品されたマセラティ ボーラは、1976年式の4.7Lモデル。希少な右ハンドルの英国仕様である。

1997年に今は亡き前オーナーが3万ポンドで購入したもので、当時この個体の所有者は、1988年以降所有していたイースト・サセックス州エッチングハムのグレンヴィル・グリフィスだった。その以前、1981年からの所有権は、ロンドン近郊ブロムリーの「サルマ・インターナショナル・エンジニアリング」社とされてはいたものの、同社は上記のグリフィスが社主に名を連ねており、実質的なオーナーシップは同一だったことになる。

このマセラティについては、「マセラティ・クラブUK」の会報誌「トライデント」にて、以下のように記載されている。

「1976年式、右ハンドル英国仕様のボーラ。過去16年間は私が所有し、その前は別のオーナーが一人だけいました。メカニズムはもちろんエクステリア/インテリアのすべてにおいて、これは事実上パーフェクトなボーラであり、真に傷一つなく、工場出荷時の状態を保っています」

また、長年にわたりマセラティ・クラブUKの会長を務め、マセラティ研究の権威としても世界的に知られていたジャック・レヴィは、同じくトライデントの第63号にて、この個体を「今まで見たなかで最高のボーラ」だと評している。

グリフィスはその所有期間中にボーラのレストアを行い、シルバーからダークメタリックブルーへの再塗装も実施。その詳細と写真はファイルに保存されている。この修復には、約3万5000ポンドが費やされた。

そして前オーナーの所有期間中、1997年から2018年にかけては、ランカシャー州ライザムの「フェルディーズ・ガレージ」社にて定期的なメンテナンスや整備、MoT(英国の自動車検査)を実施。いっぽう次第に希少となっていたパーツは、イングランドきってのマセラティのスペシャリストである「ビル・マクグラス・マセラティ」社から調達された。

1986年に「PUL 825R」のナンバープレートをつけて登録されたときの走行距離は、2万517マイル(約3万2800km)。2018年に最後の車検を受けたときの走行距離は2万2514マイル(約3万6020km)だったが、ボナムズ社の公式オークションカタログ取材時には2万2556マイル(約3万6090km)をオドメーターが指していたとのことである。

ボナムズ社では、今回の出品にあたって9万ポンド~12万ポンド(邦貨換算約1920万円〜2560万円)という、現状のコンディションを勘案すればなかなかリーズナブルにも映るエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

そして2025年12月11日、同社がニュー・ボンドストリートに構えた「ボナムズ・ショーケース」で行われた競売では、エスティメート上限に限りなく近い10万3500ポンド、現在のレートで日本円に換算すれば約2210万円という、同時代のライバルであるイタリア製ミッドシップスーパーカーたち、たとえばランボルギーニ カウンタックはもちろんのこと、フェラーリBBあたりと比較しても遥かに安価な価格とともに、競売人の掌中のハンマーが鳴らされることになったのである。

※為替レートは1ポンド=213円(2026年2月9日時点)で換算

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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