オークションマーケットでの人気はエキサイティングな存在感か?
2025年末のボナムズ「The Bond Street Sale:Important Collectors’ Motor Cars and Automobilia」オークションに出品されたデ・トマソ マングスタは、このモデルとしては最終期に生産された1台となる。1972年1月26日に初登録され、黄色い用紙に印字された旧式の車検証によれば、以前の登録番号は「JLB 9K」および「TES 64」などと履歴が詳細な所有歴だったことがわかる。
初代オーナーとなったのは、ロンドンW1在住のマイケル・P・D・セント・J・ニールン。その後1974年にロンドンNW9在住のシドニー・フォアマン、1975年にはヨークシャー州ブラッドフォード在住のジョン・ウェブスターに譲渡された。
そして、今回のオークション出品者でもある現オーナーの調べによれば、このマングスタは自動車ヒストリアンとして知られ、数多くの専門書も上梓しているリチャード・ニコルズによる数冊の出版物・書籍、および英国の男性向けライフスタイル誌「メイフェア」に掲載されたことがあるとのことである。
現在のオーナーは、1996年に「ABW 84K」の登録ナンバーのついたこの個体を入手。その前の所有者はサウサンプトン在住のマイケル・パースリーであり、2万7000ポンドの対価で直接売買された。1990年の時点で記録されていた走行距離は2万2546マイル、2020年時点では2万8773マイル。1997年以降は、ランカシャー州ライザムの「フェルディーズ・ガレージ」にて定期整備や車検、メンテナンスを実施していたとのことである。
また2010年には、排気管と前輪のホイールベアリングの交換で、4600ポンドの請求書が発行されている。フェルディーズ・ガレージからの最終請求書は2020年発行分とある。これらのインボイスを収めた履歴ファイルには、新車時以来のオーナーズマニュアルにオリジナルパンフレット、V5C登録証明書など希少な履歴が含まれている。
今回の出品にあたって、ボナムズ社では20万ポンド~22万ポンド(邦貨換算約4175万円〜4590万円)という、昨今人気の高いマングスタとしてもなかなか強気とも思われるエスティメート(推定落札価格)を設定していた。ところが昨年12月11日、同社がロンドン市内ニュー・ボンドストリートに構える「ボナムズ・ショーケース」で行われた競売では、ビッド(入札)が思いのほか伸びなかったようで、17万6666ポンドまで上がったところで競売人のハンマーが鳴らされることになった。
それでも、現在のレートで日本円に換算すれば約3690万円という落札価格は、以前のこのモデルからすれば大幅な高値。この高い人気をもたらしているのは、生産台数400台あまりという希少価値はもちろんのこと、ジウジアーロによるエキセントリックなスタイリングや、ガルウィングスタイルのエンジンフードなどに代表されるダイナミズムにあることは、おそらく間違いのないところであろう。
日本でマングスタが取引されているかどうかは知るよしもないが、筆者の感覚からするとイタリアの牛馬からするとかなりリーズナブルなハンマープライスだったような気がするのだが、皆さんの感想はいかがだろうか。













































