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ミウラ ロードスターはなぜ生産に至らなかったか? ? 謎の研究機関にバラバラにされた「幻のミウラ」の真実【ミウラ生誕60周年_07】

ミウラ ロードスターはなぜ生産に至らなかったか? ? 謎の研究機関にバラバラにされた「幻のミウラ」の真実【ミウラ生誕60周年_07】

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: Automobili Lamborghini S.p.A.  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

謎の研究機関に売却! 最新素材で大改造された「Zn-75」

シャシーナンバー「#3498」のP400 ミウラをベースに製作されたこのプロトタイプは、1969年になるとニューヨークに本拠を構えていたILZRO(International Lead and Zinc Research Corporation=国際鉛亜鉛研究公社)に販売される。当時このILZROで副社長の職を務めていたシュラード F ラドッケは、ランボルギーニにP400 ミウラのオープンモデル製作をもっとも早くリクエストした人物のひとりだった。

彼はランボルギーニからP400 ミウラが発表されると、それをベースにILZROが誇る新素材を採用したプロモーション用モデルを独自に製作することを計画するが、フェルッチオがそれを認めることはなかった。だがそれから数年の時を経た後に誕生した、ベルトーネのスタイリング プロトタイプ「P400 ミウラ ロードスター」の存在を彼は見逃さなかった。

ベルトーネからそれを購入することに成功すると、ロードスターはすぐにニューヨークへと運ばれた。可能なかぎりのパーツが亜鉛などの最新素材で再構築され、新たに「Zn-75」という車名が与えられた。

バンパーやホイール、マフラー、さらにはステアリングのスポークやシフトノブに至るまで、ありとあらゆるパーツを亜鉛合金や鉛などで作り直して装着した結果、本来は軽量なスーパーカーであるはずのミウラが、信じられないほど重くなってしまったという本末転倒なエピソードも残されている。ちなみにそのプロジェクトを率いたのは、フォードのデザイナーであったジョン フォスターである。

オリジナルのP400 ミウラ ロードスターではライトブルーが選択されていたボディカラーも、この時にモスグリーンへと変更されている。そしてZn-75は世界中のモーターショーを巡り、ILZROのプロモーションという目的を果たした後は、ラドッケ自身が所有するところとなった。

奇跡のフルレストア! 姿を消したロードスターの復活劇

さらに1980年代後半にはボストンのブルックライン交通博物館へと寄贈されたZn-75は、それから再びアメリカや日本などのコレクターの手に委ねられていくことになる。

しかし、2008年にアメリカの地で徹底的なフルレストアを受け、本来の「P400 ミウラ ロードスター」の美しいライトブルーの姿でペブルビーチ コンクール デレガンスに登場し、見事にクラス優勝を飾った。その後も、より正確な1968年当時のディテールが忠実に維持され、現在に至る。

ベルトーネによってスタイリング プロトタイプとしてワンオフ製作されたP400 ミウラ ロードスター。それは一連のミウラ シリーズのヒストリーを語るうえでは欠かすことのできない、きわめて貴重な伝説のモデルなのだ。

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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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