日本にも正規輸入されていたスタイリッシュなボルボP1800はエレガントなクラシックカー
1960年代にスウェーデンのボルボが生産していた美しいスポーツカーが、「P1800」シリーズです。日本にも正規輸入された同車は、名優ロジャー・ムーアが愛用していたことでも知られています。今回は、「旧車イベントに参加したい」という熱い思いから、初めてのクラシックカーとしてインジェクション仕様の「P1800E」を購入し、劇中車仕様へのカスタムを楽しむオーナーをご紹介いたします。
旧車イベントに参加したくて購入した平成生まれボルボ「240」セダンは旧車扱いされなかった!?
2026年3月初旬に福岡県北九州市八幡にある昭和の雰囲気が残る商店街のアーケード街で行われた「クラシック・カー・ストリート黒崎」というイベントが開催された。このイベントにお手製のショーボードとともに、美しい愛車ボルボ「P1800E」を飾っていたのが、牧頼直さんだ。イベントのゲストとして参加していた福岡県の有名ラジオDJ、TOGGYさんによるアワードにも選出された。美しいスカンジナビアデザインのクーペボディは、黒崎のアーケードを歩く多くの人々の注目を集めていたのは言うまでもない。
「じつは、クルマのイベントへの参加はこれが初めてなのです。それまではバイクを楽しんでいたのですが、事故に遭ったのをきっかけにバイクは引退しました。その代わり、以前から興味を持っていたクルマのイベントに参加できる趣味クルマを購入したのです」
そのために、最初に選んだのはボルボ「240」のセダンだった。確かに「240」シリーズの最初期モデルは1974年製で、最後期は1993年と息が長い車両だ。ところが、クルマに関してはまだ勉強中だったという牧さんが購入したのは、1992年式。つまり平成生まれの車体だったため、一般的に言われる旧車イベントに参加できなかったのだ。
「世の中の旧車イベントって、基本は昭和のクルマが対象なんですよね。買ってからそれに気づいたので、後の祭りでした(苦笑)。でも、より一層イベントに行きたいという思いが強くなってしまいました。その結果、このP1800Eを探し出したのです」
近所のボルボディーラーで面倒見てもらえることが大前提で「旧車P1800E」を迷わず購入決定!
最初にボルボ「240」セダンを購入したことで、自宅近くのディーラーとの繋がりができた牧さん。そこで今度は、「P1800E」を購入しても、引き続き面倒を見てもらえるかどうか、同じディーラーへと相談したのだった。
「古いクルマを買っても、トラブルが続いて乗れなくなるのは嫌だったのです。そのため、近所でしっかりとメンテナンスをしてもらえる車両にすることが、私のなかでの最優先項目でした。そこで、240の面倒を見てもらっていたディーラーに相談したのです。古いボルボに興味があるのですが、同じように面倒を見ていただけますか、と」
そして、その答えはイエスだった。ただし、部品調達などに時間がかかる可能性は高いのでそれでもよければ、という条件付きだ。でも、いざ牧さんがこのボルボ「P1800E」を購入してそのディーラーにお披露目に行ったところ、スタッフも大喜び。こうして牧さんにとっては、いよいよ本格的な旧車生活がスタートしたのだった。
ロジャー・ムーア出演のTVドラマ「セイント」仕様P1800に近づけるためP1800Eをカスタマイズ中
牧さんは、車両のことをいろいろと調べるうちに、名優ロジャー・ムーアとボルボ「P1800」の関係性に辿り着いた。映画「007」の3代目ジェームス・ボンド役だったロジャーだが、その映画のなかでさまざまな車両を愛用してきたものの、ボルボ「P1800」はいわゆるボンドカーではなかった。それよりも前の、テレビドラマ「セイント 天国野郎」で使用していたのが「P1800」だったのだ。
「私もテレビドラマを観て、その作品とP1800の魅力にますますハマってしまいました。そしてせっかく自分が所有したのだからと、私のP1800Eをセイントに登場した車両に近づくように少しずつ仕様変更しているところなのです」
牧さんの愛車は、エンジンがインジェクション仕様になった1970年から1972年に生産された「P1800E」だ。しかしこのテレビドラマは1962年から1969年までの放送のため、「P1800」または「P1800S」が使用されている。そこで牧さんは、ディテールが変更された自身の「P1800E」のグリルやフォグランプ、ハンドルを変更し、セイント仕様として楽しんでいるのだ。
ちなみにテレビドラマ「THE SAINT」にP1800の特徴はパールホワイトのボディカラー、英国ミニライト製8スポークホイール、ドイツHELLA製フォグランプなどが特徴的で、ナンバープレートに「ST1」がマストアイテムとなる。
「初イベントなのに、たくさんの方々に声をかけていただいて、とても嬉しかったです! パワステは無い、ギヤは入りにくいと、慣れるまで手間がかかりましたが、それも愛着が強くなる理由ですね。240の方はまだ所有していましたが、これで手放す決心がつきました(笑)。私には、イベントカーとしてこのP1800Eがあれば十分です!」
旧車ビギナーと言えども、自らの環境を先に整えておけば、不安が少なくなって旧車ライフが楽しめる。さらに好きなことを掘り下げると趣味が深くなり、深みにハマってカスタムしたりショーボードまで製作する楽しさを知ってしまう。そんな素敵な旧車ライフを、身をもって教えてくれた牧さんの体験談だった。






























































