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人々の生活を変えたテクノロジーとイノベーションの米国歴史を展示! 壮大なヘンリー・フォード博物館【クルマ昔噺】

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • 1962年のワトキンスグレンF1レースで公開された実動モデルのコンセプトカー、フォード「マスタングI」
  • 1967年のル・マン24時間レースで優勝を飾ったフォード「マークIV」。左右で色が異なるスピンナーにも注目
  • ヘンリー・フォードがモータースポーツを宣伝に使うというアイデアのもとに作った最初のレーシングカー、フォード「999レーサー」
  • 1953年にフォード創業50周年を記念して作られた「車輪の上の実験室」こと、フォード「X-100」
  • 暗殺事件ののち、防弾ガラスやチタン装甲を組み合わせた特注トップが追加されたケネディ大統領のリンカーン
  • フォード「サンダーバード」のストックカー。館内にはこうしたレーシングカーの展示も数多く用意されている
  • 透明なルーフが特徴的なバブルトップのリンカーン。アイゼンハワー大統領が使用したモデルだ
  • 広大な館内には、アメリカの自動車文化を知るうえでも楽しいディスプレイが多数展示されている
  • 車体の85%をアルミで作ったという、非常に珍しいピアースアローの車両
  • 1939年に作られた史上初のプレシデンシャル・リムジン。ルーズベルトからトルーマン大統領へと引き継がれた
  • フォード製エンジンを搭載し、見事にインディ500で優勝を果たしたロータス「38」
  • レーガン大統領の暗殺未遂事件にも遭遇したリンカーン。ニクソンからブッシュ(パパ)まで、5人の大統領が使ったクルマである

フォード社設立のための速度記録車や歴代大統領専用車から、ル・マン優勝車など規格外博物館!

モータージャーナリストの中村孝仁氏の世界に広がる豊富な経験談を今に伝える連載です。今回は、アメリカのミシガン州ディアボーンにある「ヘンリー フォード ミュージアム」を取り上げます。単なる自動車博物館の枠に収まらない規格外の施設となります。ライバルメーカーの車両や飛行機、巨大な機関車までが一堂に会し、アメリカの乗り物文化の歴史をつぶさに見ることができます。歴代大統領の専用車や伝説のレーシングカーなど、ここでしか見られない貴重な展示車両の数々をご紹介いたします。

広大な土地にアメリカの歴史的建物が並ぶ施設の一角にある「ヘンリー フォード ミュージアム」

デトロイトの隣町ともいえるディアボーンには、広大な土地にアメリカの歴史的な建物が並ぶ施設がある。昔ながらのアメリカをつぶさに見ることができる「グリーンフィールド ビレッジ」だ。日本でいえば明治村のような場所である。その一角にあるのが「ヘンリー フォード ミュージアム」だ。

デトロイトの中心部からはクルマで30分ほどの距離にあり、デトロイト・メトロポリタン空港との中間点に位置する。グリーンフィールド ビレッジにある建物は、すべてヘンリー・フォードが個人でコレクションしたものだという。彼自身の生家をはじめ、トーマス・エジソンの会社の建物などが移築されている。

ぜひ訪れてみたいグリーンフィールド ビレッジなのだが、四半世紀ここに通って、結局一度もなかに足を踏み入れたことがない。ヘンリー フォード ミュージアムには何度も足を運んだのにもかかわらず、だ。

理由はいたって簡単だ。ヘンリー フォード ミュージアムを訪れるのは、決まってデトロイトショーが開催されている時期だった。それは1月の第1週から2週あたりである。この季節のデトロイトは、日中でも気温が0度を上回ることはまずない。だだっ広い公園のようなグリーンフィールド ビレッジは、当然のごとく冬季休業中なのである。

酷い時は零下20度近くになることもあって、正直な話1分1秒でも早くクルマから降りて建物内へと移動したい。そんなわけだから、博物館の外観を1度も撮影したことがないのだ。

ヘンリー フォード ミュージアムは単なる自動車博物館ではなく、飛行機から機関車に至る乗り物が一堂に集められている。飛行機オタクから鉄分の欲しいオタクまで、乗り物好きならおそらく誰もが楽しめる博物館だ。そもそもそこにある機関車の類の大きさは想像を絶する。だから建物自体の広さもありえないほど大きい。しかも平屋である。

フォードの各モデルだけが集められていると思ったら大間違いで、ここにあるクルマの大半は他メーカーのクルマである。当然のごとくライバルのGMやクライスラーだって展示されているし、ヨーロッパ車や日本車だってある。アメリカの自動車文化を知るうえでも楽しい展示があったり、古いクルマに乗って写真が撮れたりと、1日いても飽きない(いたことはないけれど)。

歴代大統領が引き継いだプレジデンシャル・リムジンは1980年代までフォード製リンカーンが続いた

もちろん、ここでしか見ることのできないモデルもたくさんある。それらをいくつか紹介しよう。

一番に紹介しなくてはいけないのが、戦後の歴代アメリカ大統領が使った、いわゆる大統領専用車(プレジデンシャル・リムジン)の数々だ。写真に収めた当時は、ジョージ・H・W・ブッシュ(パパ)大統領が使ったモデルまでがあった。

1939年に作られた最初のプレジデンシャル・リムジンを使ったのはフランクリン・D・ルーズベルト大統領だ。そして同じクルマはトルーマン大統領も使った。このように、車両そのものは大統領が変わると常に新しくなるというわけではなく、次の大統領へと引き継がれていくのである。

もっとも顕著なのは、暗殺されたケネディ大統領が使っていたクルマだろう。事件のあった当時、このクルマはコンバーチブルであったものの、事件以後はルーフが取り付けられて安全性が強化されている。ちなみにこのルーフは単なる鉄板などではなく、防弾ガラスやチタン装甲を組み合わせた特注のトップであった。驚くことにこのクルマはそれ以後、カーター大統領に至るまで5人の大統領が使った。

当時展示されていた最新のモデルは、最後にブッシュ(パパ)大統領に至るこちらも5人の大統領が使ったクルマだ。ケネディ暗殺以後、車両はすべて装甲されて安全性が高められた。この新しいクルマでも、レーガン大統領の時代に暗殺未遂が起きている(事件は車外であったが)。ニクソン大統領の時代に作られ、ニクソン以後、フォード大統領、カーター大統領、レーガン大統領、そしてブッシュ大統領が使った。余談ながらこの年(1989年)までのクルマは、すべてフォード製のリンカーンが使われていた。

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