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軽トラは「楽しいクルマ」だ! スズキ「スーパーキャリイ Xリミテッド」は名前の通りスーパー工夫設計の一台だった

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:助手席の窓から顔を覗かせる柴犬シュン。乗り心地・NVH評価担当として自宅から片道3.5kmの動物病院まで同行した
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:シートバックスペースでくつろぐ柴犬シュン。高さ920mm×幅1235mm×奥行き250mmのスペースがカラダをほどよく包む
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:無骨なムードを持つアイビーグリーンメタリック。「ちょっと遊びに出かけようか」と思わせる仕上がりだ
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:運転席シートはクラストップの40度リクライニングと180mm(10mm×18ノッチ)のスライドを実現している
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:運転席は180mm(10mm×18ノッチ)のシートスライドと最大40度のリクライニングを実現。助手席も100mmのスライドと最大24度のリクライニングを備える
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:シートバックスペースに収まった愛犬シュン。背もたれに体をもたせかけ、いつもの試乗と変わらぬ様子だ
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:キャビンを後方へ460mm拡大したことで実現した座席後方のシートバックスペース。軽自動車トラッククラスでNo.1の広さを誇る
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:見晴らしのよい運転席まわり。ステアリング操舵への反応の自然さがこのクルマの楽しさのベースだ
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:4速ATが最高出力50PS・最大トルク59N・mを発生する3気筒エンジンを過不足なく引き出す
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:助手席の背もたれを前倒しにしたテーブル状態。シュンをシートバックスペースへ乗せる際にもこの機構を活用した
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:全高1885mm(キャリイ比+120mm)のハイルーフ仕様が生む頭上のゆとり。オーバーヘッドシェルフも備わる
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:最大積載量350kgを誇る三方開きの荷台。荷台床面前後長は1975mmを確保している
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:三方開きの荷台を展開した状態。一般的なコンパネ(900×1800mm)が悠々と積めるスペースが確保されている
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:左側のあおりを開放した状態。最大積載量350kg、荷台床面前後長1975mmを誇る
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:荷台床面をキャビン下まで潜り込ませたトンネル構造。高さ230mm、幅1315mmのこのスペースがフロア長1975mmを可能にしている
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:オフロードタイヤのトレッドパターンをモチーフにしたリア専用デカールがXリミテッドのアウトドアな雰囲気を演出する
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:キャブバック部に備わる荷台作業灯。夜間の荷台作業をサポートする
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:荷台横のステップは中央の穴が大きく開けられた形状で、乗降時の足がかりを確保する
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:荷台横のステップは中央の穴が大きく開けられており、ゴツいアウトドア用シューズでも足をかけやすい設計だ
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:タイヤサイズは145/80R12 80/78 LT。ライトトラック用タイヤを履く
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:シンプルにまとめられたメータークラスター。必要な情報を過不足なく把握できる
  • スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド:リミテッドX専用のタイヤ痕を模したデカールが入る

スズキ「スーパーキャリイ Xリミテッド」は想像以上に「楽しく広い工夫の軽トラ」だった! 

スズキのロングセラー軽トラック「キャリイ」から生まれたスズキ「スーパーキャリイ」。1961年に誕生したキャリイはスズキで最も歴史の長い車種であり、その派生モデルとして2018年に登場しました。大幅に拡張されたキャビンと使い勝手の良い荷台が特徴の特別仕様車「Xリミテッド」に初試乗した筆者が、走りと使い勝手をレポートします。

1961年生まれスズキ最長寿モデル「キャリイ」が辿り着いた「使う人目線のスーパー進化」の連続

思えば軽トラへの”試乗”は、数年前のことだ。地元町内会のお祭り準備で、焼きそばを焼く鉄板やコンロなどの小道具類を倉庫から運び出したり、近くのスーパーへ食材の買い出しに行ったりした際に乗って以来となる。その時は積んだおにぎり200個や缶ビールの箱が落ちないよう押さえる役割で、荷台にも乗った。

我が家は東京の郊外にある。自宅のまわりには畑を持つ昔ながらの家が多く、自家用車以外に軽トラを所有する家は今でも少なくない。お祭りの準備のような機会には「俺のトラックを出すよ」と近所の方々が軽トラを出してくださる。それゆえ日頃から軽トラは、運転こそしないものの身近な存在だ。

ここからはスズキ「キャリイ」の話になる。キャリイは1961年に「スズライトキャリイFB」として初代が発売されて以来、スズキの車種の中でも最も歴史の長い一台だ。登場以来、日本全国で人々の暮らしを支えてきた。フルキャブタイプのショートホイールベースに統一された11代目現行モデルは2013年に登場し、さらに2018年に新たに加わったのが「スーパーキャリイ」だった。

スーパーキャリイ発売時のニュースリリースによれば、ベースのキャリイに対しキャビンを後方へ460mm拡大し、かつ全高1885mm(キャリイ比+120mm)のハイルーフ仕様としたのが特徴だ。豊かになったキャビンスペースを活かし、運転席にはクラストップとなる40度のリクライニングと180mm(=10mm×18ノッチ)のシートスライドを実現している。ちなみに助手席側も100mmのスライドと24度のリクライニングを備えている。また座席後方のシートバックスペースは、最新カタログで高さ920mm×幅1235mm×奥行き250mmと、軽自動車トラッククラスでNo.1と紹介されている。

シートバックスペースの下には、荷台床面を潜り込ませたトンネル形状の工夫も施されている。これにより外観上は荷台前後長が切り詰められて見えるものの、実際の荷台床面前後長は1975mmを確保している。このトンネル状部分は高さ230mm、幅1315mmあり、一般的なコンパネ(900×1800mm)が悠々と積めるスペースが確保されているというわけだ。

オフロードテイストの「Xリミテッド」が見せた力不足を感じさせない素直な走りで気分も上がる

さて今回はそんなスズキ「スーパーキャリイ」に筆者が初試乗したわけだが、想像していた以上に「楽しいクルマ」だった。試乗車は特別仕様車の「Xリミテッド」だ。外観は、オフロードタイヤのトレッドパターンをモチーフにしたサイドとリアの専用デカール、SUZUKIロゴ入りフロントガーニッシュ、ブラックメタリック塗装のスチールホイール、そしてブラックのバンパー加飾、ドアハンドル、フォグランプベゼルが専用仕様となっている。ボディカラーはアイビーグリーンメタリックで、アウトドアなムードとの親和性も高く、見るからに「ちょっと遊びに出かけようか」と思わせてくれる部分は「気分も上がる」仕上げとなっている。

実際に走ってみると、これが実に素直な挙動を見せてくれるクルマだとわかった。試乗車は2WD(FR)だったが、もともとホイールベースが1905mmと短く、乗車位置がフロントタイヤの直上にあることもあり、ステアリング操舵に対するクルマの反応が自然だ。この素直さがスーパーキャリイを走らせる楽しみのベースとなっている。さらに、最高出力50ps、最大トルク59Nmを発生する3気筒エンジンを4速ATが過不足なく引き出し、各段で無駄なくパワーを使いきってくれる。1名乗車の空荷状態でも、決して運転しにくいことがない。

リアサスペンションはリーフスプリング式(板バネ)で、ライトトラック用タイヤを履くこともあり、路面の状況によってはクルマの上下の揺れを実感する場面もある。その揺れはスピードとアクセルワークをコントロールすることで抑えることが可能で、乗用車として使っても十分に通用するとさえ思えた。

愛犬も認める(!?)スーパーな広いキャビンスペースと使う人目線で設計された荷台の使い勝手に脱帽

今回は自宅から片道3.5kmの動物病院まで、家内と我が家のシュン(4歳の柴犬、乗り心地・NVH評価担当)を乗せて出かけた。日頃、国内外の乗用車の試乗に慣れたシュンも、まったく問題なく乗車できた。小雨混じりで時折冷たい春風が吹く天候だったため、荷台ではなく”荷物”になってもらい、例のシートバックスペースに乗せることにした。カラダが程よくスペースに収まったようで、シートの背もたれに自分の体をもたせかけながら、いつもの乗用車系車種の試乗と何ら変わらぬ様子で乗っていた。

乗車の際には助手席側の背もたれを前倒しにしてテーブル状にし、そこからカレをリアのスペースに押し込む……いや乗せたのだが、体重15kgのカレを抱き抱えてエイヤッ! と高く持ち上げる必要があり、大変だったのはそのための腕力が要ることくらいか。

3方開きの荷台は扱いやすく、よく見ると固定用レバーのかみ合わせ部分が樹脂でカバーされており、カチャカチャと金属同士が接触する音が出ないよう配慮されていた。荷台横の「ステップ」も中央の穴が大きく開けられており、ゴツいアウトドア用シューズでも足をかけやすい。もちろん運転席をリクライニングさせた状態では、両腕を頭の上に伸ばした寛いだ姿勢もとれる。シートバックスペースには、用品でフックやバーなど多彩なアイテムも用意されているようだ。まさしく「スーパーなキャリイ」というのが、率直な感想だった。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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