生産1308台中わずか25台の右ハンドルMT仕様。ワンオーナーで前期型の歴史的価値高いフェラーリ400i
400iは1979年から1985年までの間に1308台が生産された。これは同じボディの365や400、さらには後継モデルであるフェラーリ 412のなかで、もっとも生産量が多いモデルである。ちなみに400iは1982年にマイナーチェンジを受けて、エンジンのみならずインテリアなどにも変更を受けた。
今回出品された1980年式の400iは、いわゆる前期型に属する。後期型とは外観上でもそれなりの違いを見せる。例えば、リアのコンビランプがつくパネルがブラックアウトされていたり(1982年以降はボディ同色)、サイドミラーの形状が異なっていたりする。また、アンダーグリルがボディ幅いっぱいに広がっている(1982年以降は両端にドライビングランプが装備される)点も特徴だ。
だが、このクルマ最大の特徴は、オークション出品前までワンオーナー車であったことだ。さらに、希少なマニュアルミッション車である点も見逃せない。400の時代からAT車の生産が始まり、当時のAT比率は50%ほどに達していた。そのなかで、あえてドライバーズカーとしてオーナーがチョイスしたMT仕様なのだ。くわえて、イギリス市場向けに作られた右ハンドル車であり、マニュアルの右ハンドル仕様はわずか25台しか存在しない。
イギリスの顧客も希少「右ハンドルでマニュアル車」で注目したが、あまりに通好みな仕様ゆえの流札か!?
主催者側は4万3000ポンド〜5万3000ポンド(約924万5000円〜1139万5000円)というエスティメート(推定落札価格)を設定していた。オークションはバーミンガムで行われたため、当然ながらイギリスの顧客が興味を示すはずである。しかし、一方でヨーロッパ圏内において右ハンドルは逆にデメリットとなるのだろうか。2026年3月22日に行われたこの時のオークションでは、最低落札価格に届かず流札となってしまった。VIN(ヴィークル・アイデンティフィケーション・ナンバー)は31483。走行距離は3万580マイルだそうである。
イギリスの地でワンオーナーに愛され続け、世界に25台という超希少な右ハンドルのマニュアル仕様。エンスージアストであれば喉から手が出るほど欲しいスペックでありながら、結果はまさかの「NOT SOLD」であった。もしかすると、4シーターフェラーリのV12をマニュアルで操るというこの上なく優雅でマニアックな嗜みは、現代のオークション市場においては少しばかり「通(ツウ)すぎた」のかもしれない。
※為替レートは1ポンド=215円(2026年4月16日時点)で換算























































































