クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • 仲間と資金を出し合い希少車を輸入&製作、アンヌ隊員やファンの支援で復活を遂げた「ポインター号」とオーナーの三十余年のウルトラ情熱物語!
CUSTOM
share:

仲間と資金を出し合い希少車を輸入&製作、アンヌ隊員やファンの支援で復活を遂げた「ポインター号」とオーナーの三十余年のウルトラ情熱物語!

投稿日:

TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • ポインター:ウルトラ警備隊の「TDF PO-1 ポインター」号と、オーナーの城井康史さん
  • ポインター:クライスラー インペリアルの面影を色濃く残すダッシュパネルと広大なベンチシート
  • ポインター:劇中使用車と同様に「クライスラー インペリアル」をベースに製作。オリジナルデザインを担当した成田亨に助言をもらい、完成後にはお墨付きをもらったという
  • ポインター:FRPでの成形ではなく、1967年当時の工法にこだわり、各部を鉄板から叩き出して製作した
  • ポインター:前後ドアに描かれた地球防衛軍のトレードマークも、オリジナルどおりに忠実に再現している
  • ポインター:複雑なポインターの造形を鉄板で作り上げた、板金職人の見事な技が光るディテール
  • ポインター:車検取得時に相談した運輸支局の担当者も同世代だった
  • ポインター:日本の法制度に対応する方法を提案してくれるなど、ポインター号への情熱に共感し、非常に好意的だったという
  • ポインター:ベースはピラーレスの4ドアハードトップ。オリジナルのデザイン自体が車体寸法を変更していなかったことが、車検取得において幸いした
  • ポインター:サイドシルには、ベース車両であるクライスラー インペリアルのプレートが残されている
  • ポインター:オリジナルのポインターと同様に、ドアオープナーの上部にも特製ステッカーを貼付している
  • ポインター:シートにはウルトラ警備隊の制服。さらにエレキングとバルタン星人も同乗している
  • ポインター:このウルトラ警備隊の制服は、城井さんの体型に合わせた特注品。イベントではモロボシ・ダン隊員に扮した城井さんに会えることもある
  • ポインター:展示車両の周りは、常に当時を懐かしむウルトラ世代の見学客で賑わいを見せていた
  • ポインター:幅広い世代に愛されるポインター。若い世代のファンも熱心に何枚もシャッターを切っていた
  • ポインター:設計図は存在しなかったため、テレビ画面を撮影した写真や、友人が作った1/32のモデルカーを元に製作が進められた

ファンが情熱の完全再現! 「クライスラー インペリアル」を輸入し、蘇らせたウルトラ警備隊「ポインター号」

1967年にTBSテレビで放送が開始された特撮テレビドラマが円谷プロダクションが制作した「ウルトラセブン」です。劇中でウルトラ警備隊の専用車両として活躍した「TDF PO-1 ポインター」号を、ベース車両の輸入から完全手作りで再現し、公道走行可能な車検まで取得してしまった熱狂的なオーナーがいます。アンヌ隊員役・ひし美ゆり子さんら出演者からも愛される奇跡のレプリカ「ポインター」号ですが、その波乱万丈な製作秘話と心温まるストーリーをご紹介します。

1992年に精巧なレプリカとして蘇り各地イベントで人気の「ポインター号」は「地球防衛軍」の「軍用車枠」!?

TBSテレビによるウルトラシリーズ第3弾として、1967年から翌年までの約1年間放送された特撮テレビドラマ「ウルトラセブン」。変身ヒーローであるウルトラセブン、そして宇宙からの侵略者から地球を守るウルトラ警備隊の活躍は、これまでのウルトラシリーズからよりSF色の強いものとなり、成人層も取り込む人気番組となった。

その劇中で、地球防衛軍ウルトラ警備隊の専用車両としてウルトラセブンとともに活躍し、人気の劇中車となったのが「TDF PO-1 ポインター」号(以下、ポインター号)だ。これまでも劇中車とほぼ変わらずに再現されたこのポインター号は、さまざまなイベントに展示され、いつも人気を集める1台であるから、すでにご存知の方も多くいらっしゃるかと思う。

「いろいろなイベントには参加していますが、この『まつどクラシックカー&スポーツカーフェスティバル』はずっと誘っていただいていたものの、ほかのイベントとバッティングしていて今回が初めての参加です」

そう語るのはオーナーの城井康史さん。

「このイベントには軍用車枠があるということで、ポインター号は『地球防衛軍』の車両ですから(笑)。自衛隊のジープで参加している知人が誘ってくれて、ミリタリー車ということで参加させてもらいました」

写真撮影や城井さんへの質問もひっきりなしの人気ぶりを見せるポインター号であるが、放送当時の劇中使用車はすでに廃車となっている。この個体は今から34年前の1992年に完成させた、非常に精巧なレプリカだという。

酔った勢いでアメリカへ発注し「インペリアル」を見つけ、再現に向け購入から改造費を仲間と成し遂げたオーナーの情熱

1962年に始まった、全国のSFファンが一堂に集まる全国大会「日本SF大会」は、特撮、小説、アニメーションなどSFが好きな人たちの文化系イベントだ。1980年ごろから参加していた城井さんは、当時「帰ってきたウルトラマン」に出てくるマツダ「コスモスポーツ」をベースにした、マットビハイクルのカラーリングを模して乗っていったという。そんなある年、日産「グロリア(330型)」をポインターに改造して乗ってきた人がいた。

「それが1986年のことでしたが、感心しましたね。僕らの世代にとってポインターは夢の世界のクルマですから」

1988年にその制作者と会うことができ、すぐさま意気投合した。そもそも、なぜ日本の特撮番組の車両に巨大なアメ車が選ばれたのだろうか。ポインターのベースとなった1957〜58年式の「クライスラー インペリアル」は、当時のアメ車のなかでもひときわ巨大なテールフィンを持ち、まるで宇宙船のようなアヴァンギャルドなデザインを誇っていた。圧倒的な未来感と重厚感を演出するため、当時の制作陣があえてこの巨大な高級車をベースに選んだという歴史的背景がある。

城井さんは、この希少なベース車両さえ手に入れることができれば、劇中車とまったく同じ仕様で車検の取得が可能かもしれないと夢を見たという。

当時は個人輸入が一般的でない時代であったが、酔った勢いもあり、輸入代行業者へ依頼した。酔っていたこともあってそんな依頼をすっかり忘れていたある日、電話が鳴る。当時はまだオートトレーダーなどの雑誌に中古車はあったものの、なにしろ国土が広いアメリカである。業者も1日に何軒も見て回ることは不可能だった。そんななかで、街中を走っていたクライスラー インペリアルを見つけ、輸入業者が「1万ドルで売ってくれないか」と交渉したところ、話がついたという。

当時の為替レートは1ドル約150円、つまり150万円だ。1万ドル用意してくださいと言われたが、当時20代後半から30代頭くらいだった城井さんにそれだけの貯金はなかった。

「全額の手持ちはなかったので、同じくポインター号に思いを馳せている友人たちに事情を話して、お金を貸してほしいと頼みました」

そしてベース車両は手に入ったものの、改造にもお金が必要だ。せっかくベースを手に入れたのだからポインター号を作らないと意味がないと、再度友達を回って資金を集めたという。

12
すべて表示

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS