劇中で見た「ドリフト界のモナリザ」を目指す
2024年11月24日に富士スピードウェイで開催された「FUELFEST JAPAN」には多くのカスタム車が全国から集まり、中でも映画『ワイルド・スピード』シリーズの劇中車にインスパイアされたクルマを数多く見ることができました。そんな中から、今は第3作目で登場した日産S15型「シルビア」を紹介します。
スクリーンの中で重要な役割を果たしたドリフト界のモナリザを再現
会場内で発見したのは、第3作目『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』でショーンが乗って「D.K.(ドリフト・キング)」の異名を持つタカシとドリフト対決をして大破させてしまう日産S15型「シルビア」、通称「ドリフト界のモナリザ」だ。
ハンがドリフト用に製作したマシンで、RB26エンジンがスワップされているという設定になっている。じつは後にこのクルマに搭載されていたRB26エンジンをショーンの父親がレストアしていたマスタングにスワップし、D.K.と峠でレースするという重要なキーになる。比較的前半に印象的に登場するクルマなので、覚えている人も多いだろう。オーナーの藤原さんにお話を伺ってみた。
「このクルマは、最初からモナリザを作るために入手しました。購入当時はモナリザを製作したファクトリーを突き止めてそこで製作してもらい、2012年に完成しました。ラッピングも当時のスタイルを忠実に再現しています」
北米にはないS15をベースに劇中車を忠実に再現
ちなみにシルビアは、北米市場では2.4Lエンジンを搭載した「240SX」という車名で販売されている。ただし日本のようなターボエンジン搭載車は販売されなかったため、SR20ターボエンジンを搭載した日本国内のシルビアは、海外でもドリフト車のベースとして非常にポピュラーな存在となっている。とくにS15型は北米で販売されることはなく、オーストラリアなどに右ハンドルが若干輸出された程度。また日本国内でも排ガス規制の関係で4年弱しか製造されなかったため、欧米人にとっては究極のドリフトカーとしてとくに憧れのクルマというわけだ。
そんなS15のボディにはC-WEST(シーウエスト)製のエアロパーツとGTウイングをセット。さらにホイールも劇中で使用していたレイズ製18インチのボルクレーシング GT-7のクロームタイプを探し出して装着している。
エンジントラブルを経てイベントデビューを飾る
マシンも完成し、いよいよイベントデビューという直前にエンジンがダメになってしまったそうで、再びこのシルビアは入院し、エンジンをオーバーホールをすることに。その後2023年にようやく修理が完了し、FUELFEST JAPANは今回が初のエントリーとなった。

会場では劇中車ばかりがディスプレイされているエリアに並んでいたが、やはり完成度の高いモナリザは目立っていた。藤原さんはこのクルマに満足しているそうだが、完成度が高いがゆえに、課題もあるという。
「こういうクルマですから目立つし、クルマの完成度が高いがゆえに注目もされるので、つねに綺麗にしていないといけないんです。この状態を維持していくのは最大の課題ですね」
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)













































