ワイスピ劇中で実際に使用されたモデルが日本に存在した
2024年11月24日に富士スピードウェイで開催された「FUELFEST JAPAN」には多くのカスタム車が全国から集まり、中でも映画『ワイルド・スピード』シリーズの劇中車にインスパイアされたクルマを数多く見ることができました。そんな中から、今回は第5作目の冒頭で崖から落ちてしまう悲運のシボレー「コルベット」を紹介します。
コミコンブースに展示されていたのは「崖から落ちたコルベット」
FUELFEST JAPANの会場内には個人でエントリーしたクルマのほかに、プロフェッショナルブースに展示されているクルマも数多く見ることができた。そんな中、「コミコン」(コミック・コンベンションの略)ブースで発見したのが、シボレー「コルベット グランスポーツ ロードスター」だ。シリーズ第5作目である『ワイルド・スピード MEGA MAX』冒頭で列車から強奪する押収車の1台として登場し、最後にブライアンとドミニクともども崖から落ちて川に転落してしまうインパクトあるシーンで使用されたので、覚えている人も多いだろう。
ブースにいるスタッフに話を伺うと、このクルマは実際に映画の撮影に使用された本物の劇中車。細部まで作り込まれているため、俳優とのアップシーンでも使用された個体とのこと。
劇中車はGM公認のレプリカだった
コルベット グランスポーツ ロードスターは、フォードの「シェルビー コブラ」への対抗馬として1962年にレース用に開発された。市販の「コルベット」(C2)をベースとしながらも、軽量化されたボディにオールアルミ製の377ci(約6.2L)エンジンを搭載し、レースホモロゲーションを取得予定だった。しかし途中で頓挫し、結局クーペとロードスターが数台ずつしか製造されなかった幻のクルマだ。
当然劇中でも本物は使用しておらず、米国の「Mongoose Motorsports」という会社がGMのライセンスのもと製造。いうなれば公認のレプリカが使用されたのだった。ややこしいのだが、このクルマは「劇中車のレプリカ」ではなく「劇中で実際に使用されたグランスポーツ ロードスター レプリカそのもの」というわけだ。
こだわりのボディ各部は実車を忠実に再現
オリジナルのパイプフレームにC4コルベットの足まわりや350ci(約5.7L)のスモールブロックエンジンを搭載。トランスミッションはMTと、各部は非常に精巧にできている。特徴的なフロントフードやスポイラーが備わるボディには、リトラクタブル式ではなくカバーのついた固定式ヘッドライトが備わり、ホイールもセンターロック式となるなど市販のC2コルベットとは異なるディテールを持つ。
またロードスターは通常のオープンモデルではなく、フロントスクリーンを短くカットしたスタイル。後部にはドライバーを保護するロールバーやヘッドレストが備わるのが特徴だ。市販のコンバーチブルとはかなりスタイルも異なる。そんな細部までコルベット グランスポーツ ロードスターを再現したクルマは、イベント当日も多くの人が車体の周りに集まり、車内を覗き込んだり、写真を撮ったりしており、人だかりが絶えることはなかった。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)