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FRポルシェの守護神が魅せたポルシェ「924」愛と「クルマ好き養成所」のようなDUPROのアットホーム空間

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • ポルシェ 924S:水平基調で機能的なインパネ周り。ブラックで統一されたスパルタンな室内だ
  • ポルシェ 924S:当時のポルシェを象徴する、テレフォンダイヤル型のアロイホイールを装着する
  • ポルシェ 924S:特徴的な大きなガラスハッチを備えるリアビュー。すでに嫁ぎ先が決まっている
  • ポルシェ 924S:リトラクタブルライトを備えた美しいフロントノーズ。ボディカラーもシックだ

国内登場50周年を迎えたFRポルシェを熟知する達人に出会った! 圧倒的な知識量で語られる「奥深い924愛」

2026年で11回目を迎えた国内最大級のクラシックカーイベントが、「オートモビル カウンシル」です。幕張メッセのメインホールへと規模を拡大した同イベントに出展していた、埼玉県のプロショップ「DUPRO(デュープロ)」のブースに注目してしまいました。というのも、国内登場から50周年を迎えた「ポルシェ 924S」のワンオーナーモノの展示とともに、コーヒーを片手にクルマ談義に花が咲く、アットホームな空間を展開する渡辺大介社長の魅力をレポートします。

規模を拡大した「オートモビル カウンシル」のファン層拡大で、ひと際光る「マルシェ」の魅力と可能性

今回で11回目を迎えた「オートモビル カウンシル」は、ヘリテージカーやヒストリックカー、あるいはクラシックカーなど、さまざまな呼ばれ方をしているクルマたち、少し乱暴にひと括りにすると、レストアした旧車に出会えるモーターショーとして国内最大級のイベントとなっている。

今回は昨年までの北ホールから、幕張メッセのメインホールへと展示会場もグレードアップした。エリアも少し拡大されたことから、キッチンカーが並んだイートスペースが設けられるなど、家族連れなどより多くの層に親しみやすさが溢れる会場設定となっていた。

また、国内自動車メーカーや外国車のインポーター、あるいはヘリテージカー販売店のブースの合間に、「マルシェ」と呼ばれるミニカーやキーホルダー、関連書籍や雑誌のバックナンバーなどを販売するショップのブースも配置されていた。中学生や高校生でも買い求められるメモラビリアが、新たなクルマファンを開拓すると個人的にもずっと言い続けてきた経緯があり、この傾向は好ましいと思っている。

コーヒーショップと自動車図書館が合体した「DUPRO」ブースからそこはかとなく溢れ出るFRポルシェ偏愛学

そんなマルシェとして出展したブースのひとつに、埼玉県の所沢市にあるスペシャルショップ「DUPRO」のブースがある。今回のオートモビル カウンシルでのブースは、洒落たコーヒーショップと自動車図書館が合体したような設定で、ソファに座ってコーヒーを飲みながら、クルマ雑誌のバックナンバーに目を通す来場者の姿も散見された。

ブースに展示されていたクルマそのものは「ポルシェ 924」が1台きりであった。ちなみにこのポルシェ 924Sは、ポルシェの代名詞ともいえるRR(リアエンジン)と空冷エンジンの組み合わせから脱却し、同社で初めて水冷エンジンをフロントに搭載したエポックメイキングなFRモデルである(1976年に導入された924はアウディ製2リッターエンジン、1987年導入の924Sはポルシェ自社製2.5リッターエンジン)。トランスミッションをリアに配置する「トランスアクスル方式」を採用するなど、現在の自動車史においても非常に重要な意味を持つ1台だ。

しかし注意深く見ていくと、ボードにはDUPROが独自に作成したポルシェ 924の年表が貼られており、展示されている924も、よりレア度の高い「924S」であったりと、やはりただ者ではないことをうかがわせる。

じつはこのDUPROは、スペシャルショップと言っても正真正銘、924と944、968、928に関するプロショップである。

素っ気ない渡辺大介社長の言葉の裏に隠された、「日本におけるFRポルシェ整備の神様的存在」の「924愛」

今回の出展に関して、同社代表の渡辺大介氏に話をうかがった。

「(展示する)クルマを何にするか考えていて、そういえば今年はポルシェ 924が国内に登場してから50年。手元に(924Sが)1台あるから、それでいこう、となりました」

しかし、この素っ気なさに騙されてはいけない。

フムフムと相槌を打ちながら黙って聞いていると

「924はベースとして1975年に登場した924と、1978年に登場した高性能モデルの924ターボ、そして924の進化版として1986年に誕生した924Sで使っているパーツがまちまちで、手に入り難さも様々です」

と、まるで堰を切ったように924に関する蘊蓄が次から次へと流れ出てくる。

同店にはワークスペースに加えて専門誌のバックナンバーが勢揃いしており、説明してくれたスタッフも

「まあ社長の道楽みたいなものですが、やはりクルマを預かるからには、そのクルマ自体についてちゃんと理解しておく必要もありますからね」

と語るなど、その哲学はしっかりと共有されているようだ。しかも渡辺社長、預かったクルマはFRポルシェに限らずなんでも徹底的に調べてしまう性分のようなのだ。

ちなみに渡辺社長自身は「924に特別思い入れがあるわけじゃないです」と語るが、独自に作成された年表を見れば、その924愛の深さは容易に理解できる。これだけ調べれば本の一冊だって書き上げられるだろうと思わせるほどの内容の深さには驚かされた。展示されていたポルシェ 924Sはすでに嫁ぎ先が決まっているとのことで、このことからもクルマを売るための展示ではないのは明らかだ。

そしてこの渡辺社長という方は、AMWの山本総編集局長に聞けば「日本におけるFRポルシェ整備の第一人者(神様的存在)」にして「FRポルシェの守護神!」と言われるほど924はもちろん、FRポルシェにもっとも精通しているひとりなのだというから納得した。

コーヒーの香りに誘われ「ミイラ取りがミイラ」になる「クルマ好き養成所」のようなアットホームな空間

オートモビル カウンシルのブースでは香り高く美味しいコーヒーが振る舞われていたようだが、あの雰囲気からすると、実際のショップでもコーヒーを飲みながらクルマ談義に花が咲くだろうことは容易に想像できる。

そして彼氏やご主人、あるいはお父さんに連れていかれた彼女や奥様、お子さんが、気がつけばミイラ取りがミイラに……なんてこともあるかもしれない。そんな楽しいクルマ好き「養成所」のようなDUPROのブースは、アットホームな雰囲気に溢れていたのである。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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