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ポルシェの落札価格が約156万円!? 世界的インフルエンサー所有のFRスポーツ944の真価とは?

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TEXT:  PHOTO: 2026 Courtesy of RM Sotheby's  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

インフルエンサーから提供となった944、ベースモデルへの創造性は156万円で次期オーナーに託された

このほどRMサザビーズ「Magnus Walker:The Outlaw Collection」オークションに出品された、マグナス・ウォーカー所有の1987年式944は、もとよりアメリカ仕様として1986年11月27日にネッカーズルム工場をラインオフした。当初は合衆国北東部に納車されたそうだが、1990年代半ばにはカリフォルニアへと移り、2010年代後半にマグナス・ウォーカーが購入したとのことである。カタログ作成時点での走行距離は13万6755マイルであった。

ブラックのボディにブラックの部分レザー内装という定番の組み合わせで仕上げられており、そのほかのメーカー純正オプションとして、リアワイパーや4本スポークのスポーツステアリングホイール、クルーズコントロール、アラームシステム、電動スライド式サンルーフが装備されていた。

また、日本と同じく北米でも3速AT仕様が多くの割合を占める944ながら、この個体はウォーカー氏の嗜好を反映した5速MT仕様車である。

そして、彼のコレクションに属するほとんどの車両と同じく手は入れられているものの、この944については17インチのポルシェ純正「カップスタイル」アロイホイールが追加されたのみで、マグナス・ウォーカー流のアウトローなカスタマイズは小範囲なものといわざるを得ない。

RMサザビーズ北米本社では「現状のスペックで楽しむにも最適であると同時に、ウォーカー氏が指摘するように、次なるオーナーにとって無限の創造的可能性を秘めた、理想的な“白紙のキャンバス”でもあります」と現オーナーの意見をサポートしつつ、とくにシートやエンジンルームに明らかな疲労感の否めないコンディションを加味したのか、少し安めな1万から1万5000ドル(邦貨換算約158万円から237万円)のエスティメートを設定した。そのうえで「Offered Without Reserve」、つまり最低落札価格は設定しなかった。

この「リザーヴなし」という出品スタイルは、金額を問わず確実に落札されることからオークション会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が進むことも期待できる。ただしそのいっぽうで、たとえビッドが出品者の希望に達するまで伸びなくても、落札されてしまうというリスクも二律背反的に持ち合わせる。

こうして3月18日にスタートしたオンライン競売は、25日まで1週間にわたって行われたが、締め切り段階での指値はエスティメート下限にほんの少しだけ届かない9900ドルであった。つまり、現在のレートで日本円に換算すると約156万円という、昨今の国際クラシックカー マーケットにおける、5速マニュアル仕様のポルシェ 944の相場よりも低めの価格で落札されるに至った。

同じオークションでの落札例を見る限り、たとえ水冷FRモデルであってもアウトローな雰囲気のある車両にはそれなりの値がついたのに比べると、この944については、売り手サイドからすれば少々残念な結果だったことだろう。

ただ裏を返していえば、今回のオークションでリーズナブルな価格で落札できた新オーナーは、これからヤレ感強めのインテリアを中心にアウトロー流のチューニングやモディファイを施し、たとえば地元のカーショーなどで「マグナス・ウォーカーから購入した自慢の1台」を披露する権利を得たということだ。そう考えると、非常に夢のある落札だったのではないだろうか。

※為替レートは1ドル=約158円で2026年4月25日時点のレート換算

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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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