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走行15万km超えたポルシェが約2361万円!? 「カリスマ」マグナス・ウォーカーが乗った996型GT2がレジェンドなワケとは?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2026 Courtesy of RM Sotheby's  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

過走行でも約2361万円! カリスマのストーリーがもたらす価値

さきごろRMサザビーズ「Magnus Walker:The Outlaw Collection」オークションに出品された、マグナス ウォーカー所有のポルシェ 911 GT2は、2002年モデルとして米国向けに納車された184台のうちの1台であり、2001年から2005年にかけて全世界に向けて生産された1287台のうちの1台でもある。そして2002年6月17日にラインオフした当時から、ほぼ現在の姿のまま仕上げられていた。

ボディカラーはソリッドのブラック、インテリアは特別注文の「ナチュラルブラウン」によるフルレザー仕様で、ヘッドライナーやルーフピラー、フロントのコンソール、ステアリングコラム、3本スポークのステアリングホイール、ドーム型のランプカバー、センターコンソールのCDホルダー、サンバイザー、リア側センターコンソールに至るまですべて同色の本革で覆われている。当時のポルシェ カスタマーエクスクルーシブ(特注部門)の職人技が光る贅沢な仕様であり、本来サーキット志向の強いGT2において、これほどラグジュアリーな内装が選択されているのは非常に珍しい。

そのほかの純正オプションには、クルーズコントロール、GT2エンブレム入りのメタル製ドアシル、アルミ製メーターダイヤル、ヘッドレストのポルシェエンブレム、フットウェル照明、リミテッドスリップディファレンシャルが含まれる。

いっぽう数少ない純正オプションではないポイントとしては、「アウトロー」感を演出するためか、ボディ色と同じブラックのアフターマーケット製3ピース式アロイホイールが装着されていることが挙げられる。

「かなり希少なクルマです。非常に人気のある特別なカラーリングを施された、誰もが憧れる1台です。次のオーナーのために、この状態をそのまま保存しておく必要がありました。私は普段、自分のクルマたちを特別に丁寧に扱っているわけではなく、傷やへこみがつくこともありますが、ことこの996 GT2については、そうしたことが起きてほしくなかったのです」

RMサザビーズ北米本社による公式オークションカタログの作成時点で、走行距離計は9万5284マイル(約15万3000km)を指していた。また同カタログ内で

「ポルシェの996シリーズのなかでも最高峰のモデルを、価値が高まり続けながらも思い切り走らせて楽しむことができる1台を求める目の肥えた愛好家にとって、この出品は魅力的な機会となるでしょう」

と高らかにPR。

そして、996世代の911 GT2としては常識的と思われる12万5000ドルから15万ドル(邦貨換算約1988万円から2385万円)のエスティメートを設定したうえで「Offered Without Reserve」、つまり最低落札価格の設定はなかった。

こうして、3月18日から1週間にわたって行われたオンライン競売では、エスティメートの上限に近い14万8500ドル。つまり、現在のレートで日本円に換算すると約2361万円という、日本国内のユーズドカー市場では「過走行」と判定されてしまいそうなマイレージを思えば、まずまずともいえる価格で落札に至った。

それはやはり、マグナス ウォーカーの「アウトロー」効果といえるのかもしれない。どんなに走行距離が延びようとも、カリスマが愛し、レジェンドの一部となった名車には、数字だけでは計り知れない独自のストーリーが宿る。それこそが、現在のクラシックカーおよびネオクラシック市場を牽引する最大の魅力なのである。

※為替レートは1ドル=159円(2026年4月28日時点)で換算

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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