過走行でも約2361万円! カリスマのストーリーがもたらす価値
さきごろRMサザビーズ「Magnus Walker:The Outlaw Collection」オークションに出品された、マグナス ウォーカー所有のポルシェ 911 GT2は、2002年モデルとして米国向けに納車された184台のうちの1台であり、2001年から2005年にかけて全世界に向けて生産された1287台のうちの1台でもある。そして2002年6月17日にラインオフした当時から、ほぼ現在の姿のまま仕上げられていた。
ボディカラーはソリッドのブラック、インテリアは特別注文の「ナチュラルブラウン」によるフルレザー仕様で、ヘッドライナーやルーフピラー、フロントのコンソール、ステアリングコラム、3本スポークのステアリングホイール、ドーム型のランプカバー、センターコンソールのCDホルダー、サンバイザー、リア側センターコンソールに至るまですべて同色の本革で覆われている。当時のポルシェ カスタマーエクスクルーシブ(特注部門)の職人技が光る贅沢な仕様であり、本来サーキット志向の強いGT2において、これほどラグジュアリーな内装が選択されているのは非常に珍しい。
そのほかの純正オプションには、クルーズコントロール、GT2エンブレム入りのメタル製ドアシル、アルミ製メーターダイヤル、ヘッドレストのポルシェエンブレム、フットウェル照明、リミテッドスリップディファレンシャルが含まれる。
いっぽう数少ない純正オプションではないポイントとしては、「アウトロー」感を演出するためか、ボディ色と同じブラックのアフターマーケット製3ピース式アロイホイールが装着されていることが挙げられる。
「かなり希少なクルマです。非常に人気のある特別なカラーリングを施された、誰もが憧れる1台です。次のオーナーのために、この状態をそのまま保存しておく必要がありました。私は普段、自分のクルマたちを特別に丁寧に扱っているわけではなく、傷やへこみがつくこともありますが、ことこの996 GT2については、そうしたことが起きてほしくなかったのです」
RMサザビーズ北米本社による公式オークションカタログの作成時点で、走行距離計は9万5284マイル(約15万3000km)を指していた。また同カタログ内で
「ポルシェの996シリーズのなかでも最高峰のモデルを、価値が高まり続けながらも思い切り走らせて楽しむことができる1台を求める目の肥えた愛好家にとって、この出品は魅力的な機会となるでしょう」
と高らかにPR。
そして、996世代の911 GT2としては常識的と思われる12万5000ドルから15万ドル(邦貨換算約1988万円から2385万円)のエスティメートを設定したうえで「Offered Without Reserve」、つまり最低落札価格の設定はなかった。
こうして、3月18日から1週間にわたって行われたオンライン競売では、エスティメートの上限に近い14万8500ドル。つまり、現在のレートで日本円に換算すると約2361万円という、日本国内のユーズドカー市場では「過走行」と判定されてしまいそうなマイレージを思えば、まずまずともいえる価格で落札に至った。
それはやはり、マグナス ウォーカーの「アウトロー」効果といえるのかもしれない。どんなに走行距離が延びようとも、カリスマが愛し、レジェンドの一部となった名車には、数字だけでは計り知れない独自のストーリーが宿る。それこそが、現在のクラシックカーおよびネオクラシック市場を牽引する最大の魅力なのである。
※為替レートは1ドル=159円(2026年4月28日時点)で換算
























































