レストモッド930型911にレストア以上の価値はあるのか?
クラシックなポルシェ「911」を最新仕様に生まれ変わらせる「レストモッド」が注目を集めています。RUFが手がけた「ゴールドフィンガー」は、1987年式の911カレラをベースに現代の技術と歴史的デザインを融合させた、まさにレストモッド・モデルです。エンジンや足まわりだけでなく、内外装にも徹底的なアップデートが施され、唯一無二の存在に仕上がっています。
911カレラを2017年にRUFに持ち込み大胆なモディファイを施す
近年、ポルシェ911のファンにとってレストモッドの世界が大きな話題となっている。クラシックな911を最新の技術を用いてレストアとモディファイを施すことで、より魅力的なモデルへと進化させるのがレストモッドだ。その先駆者ともいえる存在は、「レストモッド」という言葉が一般化する以前から、クラシックなポルシェのデザインと現代的なパフォーマンスを融合させるというアプローチを提案してきた、ドイツで自動車メーカーとして認可されているRUFオートモービルである。
そのようなRUFが製作したのは、1987年式の911カレラ クーペをベースとしたRUF「カレラ 3.4」。今回、ブロードアロー・オークションズが開催した「モントレー・ジェット・センター・オークション」に出品された。
ベース車は1986年8月22日にポルシェから送り出され、新車時のボディカラーはグランプリ・ホワイト、インテリアはカルカン・レッドという仕様であった。オプションでは、鍛造アルミニウムホイール、グランプリ・ホワイトのホイールセンター、電動で高さ調節が可能なスポーツシート、クルーズコントロール、電動スライドサンルーフなどが装備された記録が残る。
ラインオフ後、まずアメリカに輸出され、いくつかの州を渡り、2013年には再びドイツへと戻る。その後、スウェーデンのマルメに在住するオーナーの手に渡った。このオーナーが2017年にRUFへ車両を持ち込んだことで、のちに「ゴールドフィンガー」と呼ばれるプロジェクトがスタートした。
ベース車がRUFに到着した時点で、すでにRSRスタイルのワイドフェンダーや、センターにオイルクーラーを冷却するためのエアインテークを持つフロントバンパーが装着されていた。しかし、オーナーが望んだのは、1974年式の911RSRに与えられたダイナミックなラインと、唯一無二の個性を持つボディであった。
RUFのエンジニアは、当時の外観を単純に再現するのではなく、それをよりアップグレードすることを提案した。レインガターは削り取られ、専用のエグゾーストシステムを組み合わせるため、リアバンパーもパーキングセンサー付きの新デザインに改められた。911RSRの特徴であった固定式のリアウイング(ホエールテール)は、964世代の911に採用された速度可変式スポイラーに変更された。これによりクラシックな911のシルエットも維持されている。キャビンには一体式のロールケージが組み込まれた。














































































































































































































