わずか11基の貴重なエンジンを搭載するレストモッド911
2025年8月13日〜16日、アメリカ・モントレーで開催されたRMサザビーズのオークションにおいて、イギリスの名門ランザンテが手がけたポルシェ「911 TAGターボ」が出品されました。この特別なモデルは、かつてアラン・プロストがドライブしたF1マシンに搭載されたTAGポルシェ製エンジンを再設計して積んだ究極のレストモッドです。車両のあらましとオークション結果についてお伝えします。
マクラーレンF1をル・マンで優勝に導いたイギリスの名門ランザンテ
イギリスのハンプシャー州ピータースフィールドに本社を構えるランザンテの名は、モータースポーツの世界に詳しいエンスージアストにはよく知られているところだ。現在ではマクラーレンのディーラーである、マクラーレン・ピータースフィールドをも経営する同社にとって、これまでのモータースポーツ活動におけるもっとも大きな偉業といえるのは、1995年のル・マン24時間レースにおいて、マクラーレンの「F1 GTR」を総合優勝へと導いたことである。
ゼッケン59を掲げて最初にチェッカーフラッグを受けたそのモデルは、ランザンテによってセットアップやメンテナンス、そしてレース中のオーガナイズが行われた。以前からマクラーレンとランザンテとの間で築かれていたパートナーシップは、この世界一過酷な24時間レースに勝利したことでより強固なものとなった。
ちなみにランザンテは、先日イギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで「95-59」と呼ばれるオリジナルのスーパーカーを初公開している。これは2025年がマクラーレンF1 GTRによるル・マン24時間レースの制覇から30年という節目にあたることを記念して企画、開発されたものだ。59台のみが限定生産されるこのモデルには、3シーター用に改造されたマクラーレン製のカーボンモノコックが使用されており、両社の密接な関係が変わらないことを物語っている。
そのようなランザンテとマクラーレンのパートナーシップは、究極のレストモッド・ポルシェ911とも例えられる、ポルシェ「911 TAGターボ・バイ・ランザンテ」を生み出した。








































































































































































