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富士スピードウェイK4-GPのGP-1Nでコースレコード更新の鈴木自工Racing⭐︎エッセは4速ATで車重607kgの超軽量マシン!?

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Photo&report/東北660シリーズ大会事務局  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • ダイハツ エッセ:富士スピードウェイのガレージにて、エッセと鈴木自工Racingのメンバー
  • ダイハツ エッセ:FRP製ダッシュボードにLink製のデジタルディスプレイとTANIDA製ステアリングホイールを組み合わせた簡素なコクピット
  • ダイハツ エッセ:純正の4速ATシフターをそのまま流用。フロアはパンチングメタルプレートを装備する
  • ダイハツ エッセ:リアゲート側から見たキャビン。ロールバーも必要最低限の点数におさえられている
  • ダイハツ エッセ:内張りを取り除いたフロントドアの裏側。窓はアクリル製に換装され、徹底的な軽量化が施されている
  • ダイハツ エッセ:すきのない軽量化で607kgを実現した
  • ダイハツ エッセ:ホイールは軽量かつ高剛性なレイズ TE37を装着する
  • ダイハツ エッセ:多数のスポンサーステッカーをまとった左サイド。フロントドアの窓はアクリル製に換装されているのがわかる
  • ダイハツ エッセ:アルミ製の燃料タンク。配管の処理も丁寧に施されている
  • ダイハツ エッセ:Link Engine ManagementのStorm X ECUを搭載。吸排気系と組み合わせて現車セッティングを実施している
  • ダイハツ エッセ:クラウドファンディングで資金を調達してK4GP GP-1Nクラスにエントリーした

全身FRP化で607kgを実現したATのダイハツ「エッセ」がコースレコード更新! 

東北660シリーズで活躍する宮城県の鈴木自工Racingが、クラウドファンディングで資金を調達してK4GPに参戦しました。全身FRP化など1g単位の軽量化を施したATのダイハツ・エッセで607kgという異次元とも言える超軽量車重を実現し、2026年2月21日に行われた4時間耐久GP-1Nクラスで完走、さらにコースレコードも更新しました。さてどんな工夫がされてるのか、早速取材してみました。

東北660シリーズの強豪にして富士K4GPでは「憧れの箱車」が鈴木自工Racing⭐︎エッセ

富士スピードウェイで開催される軽自動車の耐久レース、K4GPに、東北660シリーズで活躍するチームが初参戦した。宮城県を拠点とする鈴木自工Racingはクラウドファンディングにより資金を調達し、2026年2月21日に行われた4時間耐久のGP-1Nクラス(NA=自然吸気車両における最高峰の改造クラスで、フルコンピュータやクロスミッション、ハイグリップラジアルタイヤなどの改造が可能)にエントリー。台数こそ1台だったが完走を果たし、このクラスのコースレコードを更新、タイムは2分14秒129!

チームを率いる鈴木茂さんはサーキット走行中のクラッシュで足を負傷し、それからはATのエッセで東北660選手権の4クラスに参加している。現在4クラスはHA36アルトのAGS(オートギアシフト)が主力となっているが、メカニズム的には明らかに不利な4ATで何度も優勝するなど、マシンの熟成度とドライビングの技術は誰もが認めるところだ。もちろん富士のK4-GPでも常連チームとして名を馳せていて、NAエンジンクラスながら格上のターボ車クラスのマシンを追っかけ回すほどだという。それどころか「GP-2クラスのベンチマーク」として関係者から崇められている。

ボンネットからルーフまで全身FRP化で607kgという異次元の軽量化に成功

東北660シリーズは安全性とコストを最優先させており、フロントドアやルーフの軽量化は認められていない。一方、富士スピードウェイで開催されているK4GPは長丁場の耐久レースであり、ラップタイムの速さだけでなく燃費も重要で、勝つためには大幅な軽量化がマストだ。そこで鈴木自工Racingは新たにマシンの製作に着手した。

東北660でも認められているボンネット/リアゲート/リアドア/フェンダーのFRP化に加え、フロントドアとルーフのFRP化は軽さに加えボディの重量バランスも均整化し、加速/コーナリング/ブレーキング/燃費のすべてを著しく向上させ勝利に貢献した。

軽量化はエクステリアだけにとどまらない。ダッシュボードもFRPで作り直し、フロントドアのガラスはアクリル化、フルバケットシートもカーボン製を使うなどして1g単位で重量を削り落とした結果、純正車重720kgから削りに削って113kgを軽量化し、車重607kgを達成している。ちなみに東北660選手権に参加している他のエッセは、ノーマルに近いクラスが700㎏前後でトップクラスの改造車勢でも650㎏程度だというから、鈴木自工Racingが新たに製作したK4GP仕様エッセがどれだけ軽いかよく分かるだろう。

エンジンは耐久性を考え極端なチューニングはせず、吸排気系とLink(独立型ECU)による現車セッティング程度だ。足まわりやブレーキも東北660仕様と大差なく、冷却系もATFクーラーを追加したことくらいで、ラジエータ本体は純正でこと足りているという。

トラブルなくシェイクダウン完了、次戦10時間耐久で熾烈な表彰台争いに挑む

ドライバーは鈴木さんをはじめいずれも東北660シリーズの経験者ばかりで、全員が慣れ親しんでいるスポーツランドSUGOで昨年12月にシェイクダウン。大きなトラブルが発生することもなく感触は上々だったが、富士スピードウェイとはコースの特性が大きく異なるため、燃費を含めあくまでも参考と割り切って2月のK4GPへ向け準備を進めた。

デビューは2月22日の7時間耐久と見込んでいたが、エントリーがあまりに多かったために本戦への参戦可否は抽選となり、鈴木自工Racingチームは惜しくも落選。4時間の耐久レースは本意ではなかったかもしれないが、全員が車両とアウェーの富士スピードウェイにも慣れ、燃費などのデータ取りは十分すぎるくらいできた。次戦K4GPは8月13〜14日の開催が予定されており、例年どおりなら決勝は10時間とさらに長い。今回は残念ながら他にエントリーがなかったGP-1Nクラスも、10チーム弱の参加が見込まれ、表彰台をめぐる争いが熾烈になることは必至だ。

鈴木自工Racingが作り上げた究極のエッセ、走る姿を見たい人は8月現地の富士スピードウェイへ観戦に行ってみよう。また4時間耐久のダイジェストはメンバーのひとり、太田治久さんのYouTube「Ruotaちゃんねる」でチェックしてくれると嬉しい!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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