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2000年生まれの彼女が左ハンドルMTを夜な夜な猛練習! 同い年のフィアット バルケッタへの一途愛

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TEXT: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)  PHOTO: 勝村大輔(KATSUMURA Daisuke)

どうしても乗りたかったマニュアル車! フィアット 500Cからの増車を決意

東京プリンスホテルの駐車場で開催された「くるままていらいふ カーオーナーミーティング in 芝公園」は、洗車用品でおなじみのソフト99が主催する、車種や年式を問わない「車への深い愛を語り合うオフ会」のようなイベントです。「まてい」は、古くから日本にある「真丁(まてい)=真心を込めて丁寧に扱う」という言葉です。このイベントに、1台の黄色いフィアット「バルケッタ」が登場しました。オーナーの“ひかり”さんの愛車は、じつは自分と同い年となる2000年式なのです。左ハンドルのマニュアル車に乗りたくて増車したという、イタリアン2シーター(2人乗り)への深い愛情をご紹介します。

憧れの左ハンドルMT車へステップアップ

会場内の数ある車両のなかでもひときわ目立っていたのが、ここに紹介するイタリアの自動車メーカーであるフィアットの2シーターオープンスポーツ、バルケッタだ。一時は日本でもよく見かけたが、気がつけばあまり目にする機会もなくなってきた。1995年に発売され、2003年のマイナーチェンジ前の前期モデルにあたる2000年式ともなれば、もう四半世紀が経過していることになる。

この黄色いボディを持つ、愛嬌と気品を備えたバルケッタは、そんな時代の流れを感じさせない美しい状態をキープしている1台だ。オーナーは若い女性の“ひかり”さん。さっそくお話を伺ってみた。

「このクルマは2000年式のフィアット バルケッタで、私と同い年です。今から3年ほど前に手に入れました。じつはフィアット 500Cのオートマに乗っていて、どうしてもマニュアルの左ハンドルに乗りたくて、このクルマを増車しました。最初は夜な夜なドライブに行ってマニュアルの運転を練習しました。今は普通に運転できていると思います」

マツダのロードスターに影響を受けた? 「小舟」の名を持つライトウェイトスポーツ

フィアット「X1/9」が1988年に生産中止となって以来、じつに7年ぶりとなるフィアットのオープン2シーターとして1995年に登場したのがバルケッタだ。車名のバルケッタとは、イタリア語で「小舟」を意味する。その生産は、イタリアの有名カロッツェリア(自動車の車体をデザイン・製造する業者)である「マッジョーラ」が担当している。

誕生にあたっては、日本の広島県に本拠を置くマツダの「ユーノス ロードスター」から大きな影響を受けていると言われている。当時は、イギリスのMG「F」やドイツのBMW「Z3」、ポルシェ「ボクスター」など、今でも名を残すライトウェイトスポーツ(軽量で軽快な走りを楽しむスポーツカー)が数多く誕生した時代だ。フィアット バルケッタもそのブームに乗り、日本にも数多く輸入されている。

デザインは、かつての名車であるフィアット「850スパイダー」やフェラーリなどから影響を受けたと言われており、レトロな雰囲気を持つ。一方でボディのフラッシュサーフェス化(突起をなくし平滑に仕上げること)を徹底し、ドアノブはボタンを押すと手前にフラップが飛び出すユニークな仕組みを採用。ヘッドライトにもカバーが装着され、滑らかなボディラインに沿った美しい流線型デザインとなっているのが特徴だ。

プロの整備と純正デザインへのこだわりが、四半世紀前の輝きを維持する

オーナーの“ひかり”さんは、この芸術的なボディデザインが気に入って入手したという。実際に乗ってみるとスポーツカー的な気難しさは皆無で、DOHC(2本のカムシャフトを用いた高効率なエンジン機構)の1.8リッターエンジンはMT車であっても非常に乗りやすく、運転していて楽しいと語る。

「整備はプロにお任せしているし、購入時にある程度パーツを交換したので、今でも大きなトラブルはありません。自分の手元に来てから、元から持っていたフィアット 500用のホイールがサイズもちょうど良かったので、流用して装着しています。あとステアリング(ハンドル)は手元にあったMOMO(イタリアの名門ステアリングブランド)に交換しました。それ以外は基本的にノーマルです。この純正のデザインが好きなので、とくに自分らしさを出すつもりもありません。純正のままこれからも大切にしていきたいと思います!」

好みのパーツでモディファイされがちなスポーツカーの世界において、あえて「純正のデザインが好きだから、そのまま守り続ける」と言い切る“ひかり”さん。夜な夜な“コソ練”を重ねてまで手に入れた憧れの左ハンドルMTの相棒とともに、彼女のピュアなカーライフはこれからも美しく続いていくに違いない。

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