日産E50「エルグランド」のカスタム。見応えある内装メイクと後期ヘッドライト移植やエアロ加工が見どころ!
2026年7月16日、日産新型「エルグランド」が発表された。その影響で歴代モデルに再び注目が集まっている。日産初代E50 エルグランドがカスタムシーンを席巻していた2000年代半ば、同車をベースに、質感を重視して仕上げるオーナーが増加した。エクステリアからインテリアまで徹底的に作り込み、「イジった感」を排除したシンプルスタイル仕様の軌跡をたどっていく。
後付け感を消して自然な仕上がりを目指す
この日産E50 エルグランドオーナーが目指したのは、ひと目でカスタム車と分かるような派手なスタイルではない。コンセプトの柱となったのは、後付け感を完全に消すことである。当時流行していたシンプルスタイルを意識しながらも、純正デザインとの一体感を何より重視した。大胆な加工を施しているにもかかわらず、それを感じさせない自然な仕上がりによって、ほかの 日産 エルグランドとは一線を画す1台を目指している。その製作を支えたのが、ショップ「K・R・F」の高い板金・造形技術だ。
市販のエアロをベースに加工を施す
この日産 E50エルグランド の見どころは、加工量の多さではなく、その加工を感じさせない自然さにある。フロントにはクレアトゥール製トヨタ「アルファード」用エアロをベースに加工を施し、ボディラインへ違和感なく融合させている。さらにボンネットは先端部をワンオフ(特注)加工し、ボンネットスポイラーを装着したような立体感を一体成形で表現した。サイドには鉄板を使ったワンオフパネルを溶接している。
フェンダーはフロント約5mm、リア約20mmのセミブリスター(フェンダーを滑らかに膨らませる)加工によって自然なワイド感を演出し、角張っていたホイールアーチも丸みを帯びたラインへと変更した。リアまわりではM.Z.M製ゲートパネルをボディへ一体化している。リアバンパーとの段差を解消するとともに、ナンバーポケットも純正サイズへ加工するなど、細かな部分まで違和感のない造形にこだわった。「大加工の跡を微塵も見せない」と評された完成度は、20年以上経った今でも目を見張る仕上がりだ。

フレームに手を入れて後期ヘッドライトを移植する
フロントフェイスでは、後期型ヘッドライトへの換装も見逃せない。前期型では簡単に流用できるパーツではなく、 日産E50 エルグランドは前期と後期でコアサポートなどの形状が異なるため、単なる部品交換ではなく大掛かりな板金・フレーム加工が必須となる。さらにウインカー部分は内側からオレンジでペイントし、純正らしい雰囲気を残しながら上級グレードのような表情を作り上げた。フォグランプにはダイハツ「MAX」純正品を流用するなど、流用パーツ選びにもセンスが光っている。
室内をアイボリー基調の上質な空間へ一新する
この日産E50 エルグランドが当時話題となった理由は、エクステリアだけではない。オーナーが完成させたもうひとつのテーマが、インテリアの全面リメイクだった。
ボディカラーとの調和を意識し、室内はアイボリーを基調とした上質な空間へ一新している。ダッシュボードやドアトリムには塗装とレザーを組み合わせ、さらにバーズアイメープル柄のイージーグラフィックス(水圧転写による加飾)を各部へ施工した。ステアリングもスムースレザーとパンチングレザーを組み合わせたワンオフ仕様とし、見た目だけでなく手触りまで高級車らしい質感を追求している。
スムースレザーとパンチングレザーで張り替える
室内でもひときわ目を引くのが、ワンオフで張り替えられたシートだ。モチーフとなったのは、当時の日産「ムラーノ」の純正シートである。そのデザインパターンを取り入れながら、スムースレザーとパンチングレザーを組み合わせた仕様へとアレンジした。ステッチカラーもバーズアイメープル柄と色味を合わせ、統一感を高めている。さらに天井は全面パンチング仕上げとするなど、細部まで抜かりのない仕立てによって、ラグジュアリーな室内空間を完成させた。
ACC製エアサスペンションの操作スイッチとメーターは、灰皿スペースへ自然に埋め込んでいる。後付けとは思えないスマートなレイアウトを実現した。ラゲッジにはロックフォード製アンプとサブウーファーをシンプルにインストールしている。派手なイルミネーションや過度な演出を避け、車両全体のコンセプトに合わせた上品な仕上げとなっている。

時代ならではのカスタム文化と価値観を体現する
2026年は、日産新型 エルグランドが登場した節目の年である。最新モデルがどんな進化を遂げたのか注目される一方で、歴代モデルにはその時代ならではのカスタム文化があった。このクルマを撮影したのは2005年。当時、E51(型)の登場によって中古車として手に入れやすくなったE50 エルグランドは、多くのユーザーが理想の1台を作り上げるベース車となる。
そして今回紹介するE50 エルグランドは、「純正より純正らしく」を追求したシンプルスタイルという価値観を、ボディからインテリアまで高いレベルで体現した1台だった。派手さではなく完成度で魅せる。そんな思想は、20年以上経った今でも、色褪せることなく多くのカスタムファンを惹きつけている。





































