IFUUがVクラスをベースに、マイバッハ風カスタムと車中泊を融合させた特別仕様を製作
ハイエースやキャラバンの車中泊仕様では、どうしても商用車の気配が拭えない。もっと上質に、人目を気にせず旅がしたい。そんなわがままに応えたのが「IFUU(イフー)」だ。マイバッハを思わせる風格をまといながら、週末には車中泊で非日常へと誘う。人も荷物も積み込める高級ミニバンとは、いったいどんなクルマなのか。その正体に迫る。
IFUUがVクラスで作る車中泊仕様「トラベラー」とはどんなクルマか
箱型ミニバンのカスタムを得意とするIFUUが、メルセデス・ベンツ「Vクラス」をベースに立ち上げた新シリーズが「トラベラー」だ。ベースとなるVクラスは、メルセデス・ベンツで唯一3列シートを備えるボックスタイプのミニバン。スタンダード、ロング、エキストラロングの3種類のボディを揃え、現行型は2015年にフルモデルチェンジを受けた3代目にあたる。
IFUUはこれまでハイエースやキャラバンで、キャンピング仕様や車中泊仕様、各種カスタムを手掛けてきた。その制作ノウハウをプレミアムなVクラスに注ぎ込んだのがトラベラーである。今回取材したのは、全長5140mmのロングボディと、全長4895mmのコンパクトの2台だ。 ボディタイプは全長4895mmのKompakt、全長5140mmのLong、全長5370mmのExtraLongの3種類が設定されている 。
マイバッハ仕様のVクラスコンパクトは外観カスタムでショーファードリブンの装いに
1台目のコンパクトは、外観でまず驚かされる。ボンネット、グリル、前後バンパーにサードパーティー製のボディキットを組み込み、マイバッハを彷彿とさせるエクステリアに仕立てている。ボディ上部をマットシルバーのラッピングで整えたツートンカラーと、ボンネットマスコットにより、本物と並べても遜色ない出来栄えだ。Vクラスにマイバッハは存在しないため、これはIFUUが独自に用意したマイバッハ仕様となる。

リアバンパーはロングボディ用をショートボディ用に加工して取り付けている。標準ボディがベースの3ナンバー・8人乗車登録で、外観はショーファーカーのオーラを漂わせる。運転は専従のドライバーに任せ、自身は後席でくつろぐ。そんな雰囲気すら感じさせる装いだ。
室内も抜かりない。純正のフロントシートは後席と同様にコーデュロイ生地へ張り替えた。グレー基調でシックな大人のカスタムとし、外観に負けないクラス感を確保している。天井には照射位置を好みで変えられるスポットライトを備えた間接照明を配し、車内の空間演出でも高級感を大切にしている。
マルコポーロベースのVクラスはポップアップルーフで大人2名の就寝スペースを確保
2台目の黒いボディは、メルセデス・ベンツ純正のキャンピング仕様「マルコポーロ」がベースだ。頭上には天井が開閉するポップアップルーフテントを備え、車内とは別に大人2名のフラットな就寝スペースを確保できる。 マルコポーロには、車内で快適に休むことができるポップアップルーフやフルフラット機能付ベンチシート、回転式シートなど、居住性および快適性を高める専用装備が搭載されている。

ポップアップルーフはウエストファリアが架装する信頼性の高い純正キャンパーで、天井にはリーディングライト、左右には通気用のメッシュ生地を備える。マルコポーロはロングボディのみの設定だ。前席は最大230度回転する機能を採用し、2列目後席との対面でゆとりある車内空間を保てる。キャンピング先進国である欧州で支持されるメルセデスならではの装備といえる。
2台に共通するのが、IFUUが得意とするバタフライ仕様のT-REVOシートだ。2列目には1400mm幅、3列目には1200mm幅を装着する。V字に折り畳んでスライドさせれば、2列目も3列目も広々と使える。3人+3人の前向き乗車から、向かい合っての対面座、フルフラットにすればベッド長2400mmという広大なベッド空間まで、多彩なシートアレンジに臨機応変に対応する。
フロアにはオリジナルのロングスライドレールを設置し、シートを前へスライドさせれば広い荷室へと早変わりする。1列目の純正シート背面を引き出せば、航空機のようなシートバックテーブルが展開する。シートを畳めば荷室長1500mmを確保し、大型の荷物も積める。
Vクラスベースのトラベラーだからこその上質さと使い勝手の良さ
トラベラーはU-CARベースのコンプリート価格が569万円からとなる。車両持ち込み施工なら121万円からで、装備には2列目のT-REVO1400mmシート、3列目のT-REVO1200mmシート、ロングスライドレール、フロアフローリングが含まれる。外観は純正のままにもできる。IFUUはホイールやエアロといった外観カスタムも得意とするため、自分好みに仕上げたいなら別途オーダーが可能だ。
ハイエースやキャラバンは車中泊仕様として人気だ。ただ、商用ベースの車両感が苦手、ボンネットがほしいといった声も根強い。そうした要望に応えるのがトラベラーである。IFUUの担当者によると、Vクラスでこの仕様を作れるのはIFUUだけだという。快適に人を乗せ、時に大型の荷物を積み、週末には車中泊で非日常を味わえる。人とは違う高級ミニバンを探しているなら、有力な選択肢になるはずだ。
高級感と実用性の両立という難題に、IFUUは商用ミニバンで培った経験と発想で答えを出した。ショーファーカーの品格をまといながら、ふだんは家族や仲間を乗せ、週末には旅の相棒になる。1台で幾通りもの顔を見せるVクラス トラベラーは、クルマとの付き合い方そのものを豊かに広げてくれる存在だと感じられる。

















































