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出幅10mmのフェンダーと3ピースリップを装着。スピードフォルムの「RZ34」用キット

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TEXT: 木村隆之(KIMURA Takayuki)  PHOTO: 泉 晟太郎(IZUMI Jotarou)

S30Zを知り尽くすスピードフォルムが、RZ34にナチュラルなワイド化と旧車オマージュを注ぎ込んだ

S30Zで現代のスポーツカーに肉薄する走りを見せてきたスピードフォルムが、日産の最新型「RZ34 フェアレディZ」用ボディキットを完成させた。派手さで押すのではなく、純正フォルムを尊重したまま往年の空気をまとわせる。旧車を熟知するブランドだからこその答えがそこにある。

スピードフォルムのRZ34「フェアレディZ」用ボディキットとは

旧車のS30Zで培った経験が、最新型の日産「RZ34 フェアレディZ」にそのまま活きている。スピードフォルムは長年S30Zを手がけ、現代のスポーツカーに引けを取らないパフォーマンスを引き出してきたブランドである。そのノウハウを注いだRZ34用ボディキットは、往年のスタイルを彷彿とさせる仕上がりになった。

RZ34「フェアレディZ」は、2022年に登場したシリーズ7代目にあたる。 V型6気筒2997ccの直噴ツインターボ「VR30DDTT」エンジンを搭載し、最高出力は405ps/6400rpmとなる。 スカイライン400Rと同じ心臓をもつ現行Zに、スピードフォルムは旧車で磨いた美意識をぶつけた。

キットの構成は多彩である。フェイスの印象を大きく変えるグリルガーニッシュ、3ピース構造のフロントリップスポイラー、フェンダートリム、リアゲートスポイラー、リアウイング、そしてオリジナルマフラーがそろう。各パートには綾織カーボンとFRPの2つの素材が用意される。この素材展開もS30Z用と共通の考え方である。

S30Zからインスピレーションを得たグリルガーニッシュとフロントリップ

フロントまわりは、S30Zの記憶を呼び覚ますデザインでまとめられている。グリルガーニッシュはS30Zのグリルデザインをオマージュした造形で、装着するだけでフェイスの印象がガラリと変わる。旧車を知り尽くすブランドならではのアプローチである。

フロントリップスポイラーは、左右のリップ部にフラット形状のセンターダクトを備えた3ピース構造を採用する。薄型フラップのダクト形状と左右分割の構成は、スピードフォルムのアイデンティティを感じさせるディテールである。低い姿勢をキープしながら、純正フォルムにインパクトを追加する。派手に張り出すのではなく、あくまで純正の延長線上でまとめる点が特徴といえる。

フェンダートリムとリアウイングで得られる装着感とローダウン効果

フェンダートリムは、さり気なさと機能を両立している。出幅は10mmに抑えられ、純正のデザインを損なわないナチュラルな装着感が楽しめる。ムッチリとハイト厚めのタイヤとも相性がよい。ド派手でワイドなフェンダーもよいが、これくらいの控えめな仕上げのほうがオトナの雰囲気を醸し出せる。

取材車両はオレンジボディに対し、前後をボディ同色に塗り分けたうえでフェンダートリムだけをカーボンのブラックアクセントで際立たせていた。 標準全幅1870mmのボディに、視覚的なクリアランスを狭めることで15mmぶんのローダウン効果を演出する。 実際に車高を落とさず、見た目のクリアランスで低さを表現する狙いである。

リアまわりは、Zらしい流麗なラインを崩さずにアクセントを効かせている。ルーフからリアゲートへのなだらかなボディラインを受け、そのルーフエンドで小粋に跳ね上がるのがリアゲートスポイラーである。地味な存在に見えて装着効果は大きい。加えてリアゲート幅に設定されたベタ付けのリアウイングが後ろ姿を引き締め、リアビューのアクセントが増している。

スピードフォルムオリジナルマフラーはVR30DDTTのサウンドをどう響かせるのか

排気系も、見た目と性能の両面で作り込まれている。センターマフラーから後ろを交換する「リーガルマフラーセット」は、ストレート構造のサイレンサーを採用した高性能なエキゾーストである。リアビューを魅せる造形でありながら、走りにも効く。

キャタライザーからセンターマフラーをつなぐ中間パイプの「フロントYパイプセット」も用意される。フロントYパイプは保安基準適合品で、しっかりと消音効果をもたらす。それでいてVR30DDTTの心地よい排気サウンドが楽しめる仕上がりである。6速MTと9速ATの両方に適合する点も、幅広いオーナーにとってうれしいポイントといえる。

旧車で名を上げたブランドが最新型に向き合うと、こうも往年の匂いを立ちのぼらせるのだと感じさせる1台である。派手な主張に頼らず、純正の美しさを尊重しながらS30Zの記憶をそっと重ねる。スピードフォルムがRZ34に注いだのは、旧車を知り尽くした者だけがたどり着ける成熟した美意識なのだ。

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