Black Series専用のフルカーボンエアロと鍛造ホイールで、あの佇まいを現実的に再現した1台
公道を走るレースカーと呼ばれるメルセデスAMG「GT Black Series」。国内の流通台数はごくわずかで、手が届く個体はさらに少ない。そこでオフィスケイが選んだのは、レギュラーラインのAMG GTをベースに、Black Seriesの空気だけを巧みに取り込むという答えだ。フルカーボンエアロと鍛造ホイールが生む存在感を、じっくり見ていきたい。
オフィスケイがAMG GTで再現したBlack Seriesスタイルとは
ハイクラス輸入車のカスタムで名を知られる東京都内有数のショップ、オフィスケイが手掛けた1台を取材した。ベースはレギュラーラインのメルセデスAMG「GT」。ここにBlack Series同様のフルカーボンエアロを組み込み、最高峰モデルのニュアンスを引き出している。

ハイクラス車を数多く仕上げてきた実績がこのショップの信頼を支えているが、今回のテーマは憧れのBlack Seriesスタイルを現実的な価格で楽しむこと。マニア層のかゆいところに手が届く提案になっている。
AMG GT Black Seriesはどんなクルマなのか
そもそもAMG GT Black Seriesは、AMG GTの頂点として語り継がれるモデルである。2020年に発売された先代のGTブラックシリーズは、ツインターボチャージャー付き4.0L V8エンジンのフラットプレーンクランク版を採用し、最高出力730ps/6900rpm、最大トルク81.5kg-m/2000~6000rpmを発生した。
その走りは、まさに公道に姿を現したレースカーそのものだ。0-100km/h加速は約3.2秒、最高速度は325km/hを記録し、当時の市販車としてニュルブルクリンクのラップレコードも更新した。足まわりにはアンチロールバーやカーボンブレーキを備え、スペックだけ見てもレース仕様といえる内容になっている。
エクステリアにもレーシングカー由来の思想が息づく。エクステリアには、メルセデスAMG「GT」ベースの「GT3」レーシングカーから得られたノウハウを取り入れた。とくに象徴的なのが、Black Seriesのアイデンティティとも言えるカーボンファイバー製のエアロやパネル類である。ただし国内の流通は限られ、手に入る個体はごくわずかにとどまる。だからこそ、レギュラーラインでニュアンスを近づける発想には十分な説得力がある。
フルカーボンエアロと21インチ鍛造ホイールが生む機能と存在感
この1台の見どころは、見た目以上の機能を備えたエアロ群にある。カーボン製のフロントリップスポイラーは、Black Series同様の2枚羽スタイルを採用。独特の意匠が唯一無二の存在感を放つ。
ボンネットとフロントフェンダーには、Black Seriesと同じくカーボンダクトを装備した。カーボン部分以外はボディ同色に塗り込み、面としての一体感を演出している。サイドステップはスポイラー形状とし、サイドスリットは一部分のみカーボンを活かす手法で、抑制の効いた見せ方を実現した。
リアまわりも抜かりない。リアスポイラーもカーボン製で、整流効果が期待できる形状になっている。GTウイングは実車同様の2枚羽式を採用し、見た目のインパクトはもちろん、ダウンフォース効果も見込める。足元にはアメリカのラグジュアリー鍛造ホイールの最高峰、フォージアート「COPIATO」を選択した。サイズはフロント21×10.0J、リア21×11.5Jで、鍛造製法ゆえに性能は折り紙付きだ。超扁平タイヤと組み合わせ、ドレッシーさとスポーティな低さを両立させている。

シンプルな構成ながら、圧倒的な存在感と遊び心を併せ持つ仕上がりである。あえて最高峰を追わず、その空気だけを巧みにまとわせる引き算の妙こそ、オフィスケイの真骨頂だ。手の届く現実解として、憧れの一片を日常に取り込む提案が、この1台には凝縮されている。






































