ボンドグループがブラバスと正規代理店契約を結び、日本仕様コンプリート製作の道が拓けた
ドイツの最高峰チューナー、ブラバスの正規ディーラーが日本に誕生した。全国14店舗を展開するボンドグループが2025年5月1日、ブラバスと正式に代理店契約を締結したのだ。憧れを追い続けて実績を積み重ねた末の到達点である。その裏側と“第二章”への構想を、代表取締役の細川恵多さんに取材した。
ボンドグループがブラバスと正式に代理店契約を締結した意味とは
2025年5月1日、日本におけるブラバスの歴史が新しい局面を迎えた。全国14店舗で車両販売から整備、修理、あらゆるカスタムまでをワンストップで手がけるボンドグループを核とする株式会社ホソカワコーポレーションが、ブラバスGmbHと正式に代理店契約を結んだ。世界の一流ブランドを日本へ導入するインポーター、ラガーコーポレーションを擁するグループにとっても大きな前進となる。
今回の契約で、ボンドグループの販売拠点はブラバスの正規ディーラーという役割を担う。日本仕様のブラバスコンプリートを製作したい場合、ベースとなる車両探しから相談に乗ってもらえる体制が整った。
もっとも、ボンドグループは以前から数多くのブラバスを扱ってきた。パーツ単体だけでなくコンプリートカーまで、同グループから世に出たブラバスカスタムは数え切れない。その積み重ねをブラバス側が高く評価した結果である。喜びを噛み締めながら、誰よりも気を引き締めていたのが代表取締役社長の細川さんだった。
細川さんは家業のホソカワコーポレーション(旧・細川タイヤ商会)を継ぎ、1996年に代表取締役へ就いた人物だ。その後にボンドグループを立ち上げ、2025年時点で全国14店舗の拠点に加え、北京とドイツにも支店を持つまで拡大させている。
ブランド名に込めた思いを、細川さんはこう語る。
「私自身、かつてヨーロッパの一流チューナーズブランドに感銘を受け、これを日本へ伝えたいと思って“ボンド”を立ち上げて、今日までやってきました。シンプルに“接着する”という意味でのボンドですが、お客様とクルマや技術を、そして海外と日本を“くっつける”存在になればいいな、と。昔からブラバスは憧れの筆頭でした。とにかく高品質で美しくて、大手自動車メーカーに対して堂々と肩を並べている。ブラバスの規模と技術、そして思想。私はこれを正確に日本に伝え、そして日本で拡げていきたいと強く思いました」
リップスポイラー1点の販売から代理店契約までの道のり
正規代理店への道は、地道な足取りの連続だった。細川さんはジュネーブやフランクフルトといった海外のモーターショーへ毎年のように駆けつけ、ブラバスとコミュニケーションを重ねた。ドイツ北西部ボトロップにあるブラバス本社まで赴いた回数も少なくない。
当時、ボンドグループの事業規模はまだ小さく、コンプリートカーははるか遠い存在だった。それでもリップスポイラー1点、ホイール1セットの販売から着実に実績を築いていった。日本のチューナーズブランドブームも追い風となり、取り扱い規模を次第に広げていく。やがて、コンプリートカーを含めて日本に流通するブラバス関連製品の半数以上を、ボンドグループが扱うまでになった。
ブラバスは1977年、創業者のボード・ブッシュマンがボトロップで立ち上げたブランドだ。以来、メルセデス・チューナーとして世界に名を馳せてきた。毎年のように世界中の顧客やディーラーを招いた新作発表会を開いており、2024年の“シグネチャーナイト”では、ファッションショーさながらのランウェイでブラバスコレクションをまとったモデルとともに新型が披露された。ボンドグループは常にこうした場へ参加し、情報交換と知識の吸収を欠かさない。その積み重ねが今回の契約締結を引き寄せた大きな要因である。
ブラバス800シリーズを日本で施工できる「日本仕様コンプリート」
代理店契約の転機となったのは2018年だった。GクラスがW463型へ移行し、メルセデスAMG「G63」にM177型4.0リッターV8ツインターボが搭載される。ブラバスはこのユニットを最高出力800ps、最大トルク1000Nmまで引き上げる800シリーズを世に広めた。G63に限らず、同系統のパワーユニットを持つメルセデスAMG各モデルに用意されるパッケージである。
800シリーズは、ブラバス製専用タービンへの交換に加え、吸排気のモディファイ、ECU(エンジン制御コンピューター)を中心とする制御部品の組み合わせで成り立つ。このパッケージの施工が、ボンドグループにも認められた。コンプリートカーの要となるパワートレインは、これまで本社ファクトリーでの施工が絶対だった。ブラバス側はボンドグループの技術とノウハウ、そして情熱を前に、“日本仕様のブラバスコンプリート”を認めた。

ただし、製品そのものはブラバス製であることが絶対条件だ。純正タービンをブラバスファクトリーへ送って加工してもらうなど、ボンドグループはひとつずつ協力体制を築いていった。贅を尽くしたインテリアメイクも同様である。ヘッドレストやステアリングなど、外せる部品をブラバスへ送って施工を受ける仕組みだ。
今回の代理店契約で、両者の協力体制はさらに強固になる。購入後のメンテナンスや修理、部品供給、保証プログラムなども、ブラバスに準じた内容となる見込みだ。細川さんは次の段階の準備も明かす。
「私たちのメカニックやスタッフが、ブラバス本社(ファクトリー)で研修を受ける準備を進めています。そうすればインテリアトリムなども、一定の範囲でボンドグループでの施工が可能となり、パワーユニットの自由度も拡がっていくと考えています。真の意味でのブラバスコンプリートをお求めになるお客様に、ベストアンサーをご提供するための施策です」










































