ホンダ・フィットe:HEVモデューロX
と、ヤリスが出てきたのなら、そのライバルのホンダ・フィットはどうなっているのか? もちろん、ワークスコンプリートカーがある。それが、ホンダアクセスが手掛けるフィットe:HEVモデューロXだ。
最初に言っておくと、ノートオーラNISMOやGRヤリスに比べれば、遥かに実用的、というか、比較的穏やかなチューニングの範囲に収めている。先代フィットにはRSというスポーティグレードがあったものの、現行フィットにはなく、その穴を埋めるためのスペシャルな1台と言っていい。
エクステリアでは専用のグリル、バンパー、テールゲートスポイラー、ガーニッシュ、エンブレムなどを装着。インテリアもブラック×ボルドーレッドでキマっていて、専用革巻きステアリング、セレクトレバー、専用コンビスポーツシートなどが奢られている。
モデューロはパワーユニットに手を入れないのが流儀だが、専用16インチホイール、サス(ダンパーのみ)、空力にこだわった、ホンダの風洞実験室から生まれたエアロパーツが、ワークスコンプリートのキモとなる。
フィットオーナーが乗り換えたとすれば、まず感じられるワークスコンプリートカーらしさは乗り心地。具体的には中低速域ではズバリ、硬い。しかしステアリングフィール、乗り味は明らかに重厚になる。そして本領を発揮するのはエアロパーツの効果が出てくる高速域。乗り心地にフラット感が出て、コンパクトカーとは思えない、クラスを超えたスポーティな走行性能を味わせてくれるのだ。価格は286万6600円と、フィットe:HEV LUXE(FF)の242万6600円の44万円高となる。
筆者なら、ワークスコンプリートカーらしくも洗練されたアピアランスやインテリアの特別感、そして普段使いからスポーツティな走りまでオールマイティーに使えるという点で、オーラNISMOを選ぶ。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーで選考委員としてノートシリーズに満点を配点したのも、ノートオーラの完成度に加え、オーラNISMOの存在感や魅力が大きくかかわっていたのである。



































































































