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時代を変えた最強のロードゴーイングカーR32GT-Rの歴史と変遷

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: GT-Rマガジン編集部

【中期型】安全性が向上するも車重は50kg増

 R32GT-Rが初めてマイナーチェンジを行ったのは’91年8月。最大の変更点は、強化された衝突安全の法規に合わせボディを補強したこと。その一環として、側面衝突時の安全性を高めるために、ドアの内側にサイドドア・インパクトビームを組み込んだ。安全対策を徹底した結果、車両重量は50kg増えている。

 また、高速走行での照射性能を高めるために、プロジェクター式ヘッドライトをH3CバルブからH1バルブに変更し、レンズ面も広げて光量を増やした。点灯時の表情が微妙に異なる。インテリアではコンソール部分にシボ模様が追加され、シートベルト警告灯も加わっている。

 信頼性を高めるためにパワーユニットも改良。シリンダーブロックを補強し、クランクシャフトの形状も変えている。弱点だったリヤブレーキキャリパーのシール材やクラッチカバーなども改良品に変更された。

 ボディカラーは、ジェットシルバーメタリックに代わってスパークシルバーメタリックが登場し、新色としてクリスタルホワイトとグレイッシュブルーパールが追加された。

【中期型DATA】

●発表/発売 ’91年8月20日

●車体番号 BNR32-212001~(試作車は210001~)

●当時の車両本体価格 451.0万円

●設定ボディカラー

 #KH2 ガングレーメタリック #732 ブラックパールメタリック

 #AH3 レッドパールメタリック #TH1 ダークブルーパール

 #326 クリスタルホワイト #KLO スパークシルバーメタリック

 #BLO グレイッシュブルーパール

【後期型】各部が熟成されたR32GT-R最終形態

 GT-Rも基準車と同じように、中期型からコストダウンのために本革巻きステアリングの革の質感を下げた。だが、安全性を高めるためにオプション設定ではあるが、運転席SRSエアバッグシステムを選べるようになっている。

 そして’93年2月、2度目のマイナーチェンジを行う。メカニズム面での最大の変更点は、クラッチの作動方式をそれまでのプッシュ式からプル式に変更し、圧着力を高めたこと。踏力が軽くなり、クラッチの切れるタイミングもわかりやすくなった。加えて5速MTのシンクロ機構も改良され、3速や4速でも滑らかにギヤがつながるようになっている。

 細かいところではリヤのデフカバーに刻まれていた冷却フィンが省かれ、凹凸のない形状となっている。また、7色あったボディカラーは5色に減らされた。整理されたのは、青系のダークブルーパールと、グレイッシュブルーパールだ。

 また、後期型が登場したときの最大のニュースは、グループAレース3連覇を記念して「V-spec」を発売したことだ。走りに磨きを掛けるために、GT-Rのブレーキとタイヤのポテンシャルを高めている。タイヤはBSポテンザRE010だが、225/50R17で、アルミホイールは日本BBSの鍛造(8J)を組み合わせた。タイヤの外径が大きくなったため、全高は15mm上がり、最低地上高も5mm高い140mmだ。

 名門ブレンボ製のブレーキシステムを採用したことも特筆すべき部分。17インチの大径ローターとなり、耐フェード性が飛躍的に向上し、安心して踏めるようになった。標準車の16インチローターと比べると、フロントは28mm大きい324mm、リヤは3mm大きい300mmだ。ブレーキとタイヤが変更されたため、アテーサE-TSのコンピュータ制御や足の味付けも変更している。

 V-specの最終進化モデルが’94年2月に発売された「V-spec II」だ。違いはタイヤのみで、認可を待っていた偏平率45%の245/45R17サイズのポテンザを履いた。

【後期型DATA】

●発表/発売 ’93年2月3日 ※V-specⅡは’94年2月14日

●車体番号 BNR32-300001~314649

●発売当時の車両本体価格 445.0万円 V-sepc 526.0万円 V-specⅡ 529.0万円

●設定ボディカラー

 #KH2 ガングレーメタリック #732 ブラックパールメタリック

 #AH3 レッドパールメタリック #326 クリスタルホワイト

 #KLO スパークシルバーメタリック

【NISMO】グループAレース用の限定モデル

 ’90年3月、グループAレース参戦のためのGT-Rのベース車両、NISMOが500台だけ限定発売された。変更点は空力パーツやエンジンパーツである。

 冷却性能を向上させるためにグリル内側の形状を変え、バンパーフェイスの左右にはエアインテークを追加した。ボンネットの先端に導風用のフードトップモールを装着しているのも特徴だ。サイドビューではリヤタイヤの前に加えられたサイドシルスポイラーが目を引く。リヤスポイラー下にはサブスポイラーが加えられた。

 RB26DETT型エンジンは、耐久性を考慮してセラミックタービンをメタルタービンに交換し、最大過給圧を調整する開弁圧も高めている。また、オプションでNISMOブランドの大型空冷インタークーラーも設定。フルオートエアコンやオーディオ、リヤワイパーなどを取り去り、30kg軽量化したのも売りだ。

 中期型が登場した’91年7月にはN1レース仕様を発売している。’93年以降はV-spec、V-spec IIの登場とともにベース車が代わっており、これを徹底的に軽量化したまさにサーキット専用車両だった。

 

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