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リッター200円以上! ガソリン代高騰のアメリカは、物価も高すぎて旅のスケジュールを大幅変更です──米国放浪バンライフ:Vol.05

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TEXT: 牧野森太郎  PHOTO: 牧野森太郎

レッドロックキャニオン州立公園の雄大な岸壁

 ケーンビルまでは1日のドライブではたどり着かない。オーハイで仲良くなった老作家・ジェイのアドバイスで、まずはモハべ砂漠のなかにあるレッドロックキャニオン・ステートパークを目指すことにした。砂漠を南北に突き抜ける14号線は灼熱の1本道だ。外気が熱いうえに長~い上り坂。水温が上がる条件がそろっている。オーバーヒートを避けるため、意を決して暖房を全開にする。熱風で人間がオーバーヒート寸前だ。

 なんとか午後4時、レッドロックキャニオンに到着。キャンプサイトが空いていれば泊まることができる、ファーストカム・ファーストサーブ(早い者勝ち)というシステムだ。キャンプ場をひと流しして、泊まりたいサイト番号をレンジャー・オフィスに告げてチェックインを完了した。「丘に上るナチュラル・トレイルをぜひ歩いてみてください。絶景ですよ」と、若いレンジャーが勧めてくれた。

 丘に上るまでもなく、ジョシュアツリーを代表とするモハべ砂漠特有のサボテンが荒地にニョキニョキと生えている。そこにそそり立つ岩の壁! 砂漠と岩壁のフォーメーションが大迫力だ。こんな環境のなかで一晩を過ごせるだけでも幸せである。

 夕景の時間を待ってレンジャーおすすめのナチュラル・トレイルに向かった。約30分のハイクで、見晴らしのいい丘の上に出た。と、冷たく乾いた風が強く吹き抜けた。すでに日中の暑さは消え、肌寒い。砂漠のサンセットは長い。パーカーのフードを被り、見渡す限り広がる景色がゆっくりと変化していく様を、ひとり岩に座って眺め続けた。

5月12日 レイク・イザベラの豪華なサイトに宿泊

 翌日は、レイク・イザベラという湖のキャンプ場に1泊することにした。KOA(Kampgrounds of America)という全米チェーンのRVパークを予約した。フックアップ(電源&水&排水)、シャワー、ランドリー、Wi-Fiが完備していて快適そのものだ。料金も50~80ドル、エクストラのパーキングスペースが付いている場合は100ドルを超えるサイトもある。今回、ぼくが泊まった施設にはプールや屋外キッチンまで付いている、いわば豪華版だった。

 フックアップサイトに対して、ただ泊まるだけのサイトをドライサイトと呼ぶ。料金は10~30ドルとぐっと安い。レッドロックキャニオンはドライサイトで、ピクニックテーブルと焚火用のファイヤーリングがあるだけだった。

 電源があれば車内で12Vが使えるので、PCや携帯電話、カメラのバッテリーの充電、エアコンなど、なにかと便利。皿洗いなどで出た汚水(グレイウォーター)をその場で処理できるのもうれしい。トイレがあるクルマはタンクにブラックウォーターを溜めることになるが、誰だってそのまま移動したくないだろう。

 旅をスタートしたときは、多少、料金が高くても、基本的にフックアップサイトを利用するつもりだったが、次第にその考え方が変化していくことになる。

■「米国放浪バンライフ」連載記事一覧はこちら

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  • 牧野森太郎
  • 牧野森太郎
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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