クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • ブレーキだけで軽自動車が買える!? 「カーボンブレーキ」をフェラーリやランボルギーニが採用する本当の理由とは
CUSTOM
share:

ブレーキだけで軽自動車が買える!? 「カーボンブレーキ」をフェラーリやランボルギーニが採用する本当の理由とは

投稿日:

TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AUTO MESSE WEB

  • NSXのカーボンブレーキ

  • R35 GT-R SpecVの制動イメージ
  • NSXのカーボンブレーキ

純正採用するスーパースポーツモデルが増加中

 ひと昔前はレーシングカー専用という印象だったが、近年は市販車での採用も続々と増えているカーボンブレーキ。フェラーリやランボルギーニといったお馴染みのスーパーカーを筆頭に、日産「GT-R NISMO」やホンダ「NSX」など国産のハイパフォーマンスモデルでも見かけるようになった。名だたるクルマたちがこぞってカーボンブレーキを選ぶ理由や、従来の鉄製に対してどんなアドバンテージがあるのかを調べてみたい。

ブレーキのカーボン化による恩恵は「軽量化」

 ココでいうところの「カーボン」はカーボンセラミックと呼ばれる複合素材で、粉末や樹脂、ファイバーから成る原料を混合させ、1700℃近い高温および真空の状態で精製される。

 カーボンの特徴はいくつもあるが最大のメリットは軽さで、ブレーキローターなら従来の鉄製に比べ約50%も軽いという。知ってのとおりブレーキローターはいわゆるバネ下重量に含まれ、その軽量化はボディ側となるバネ上の10倍や15倍に相当すると言われている。

 鉄製ローター4枚の合計が40kgと仮定すると、カーボンは20kg。この重量をほかの部分で削ぎ落とすのは並大抵のことではなく、しかもバネ下だけに実際の数字を超える恩恵があると考えていい。

耐久性は高いが非常に高額な点がネック

 また、カーボンブレーキは強度および耐久性、形状安定性や耐腐食性が高いこともメリット。超高速域からハードな減速を繰り返してもフェードしにくく、かつ安定した制動力を長時間にわたってキープし続けるには、カーボンセラミックほど適した素材はといえるだろう。

R35 GT-R SpecVの制動イメージ

 ただし、欠点がゼロというワケじゃない。一般ユーザーにとって最大の難点は原料や製造工程の複雑さに起因する価格で、オプション設定されている場合は100万円オーバーが当たり前だ。例えばGT-Rの「ニッサン・カーボンセラミック・ブレーキ」は、約240万円というプライスが設定されている。

 高性能であることは十分に分かっていても、おいそれと手を出せる金額ではないことは確かである。さらに、街乗りが主なら正直にいってオーバースペックで、カーボンの恩恵を受ける機会は少ないと思われる。

* * *

 ちなみにカーボンブレーキが出始めたころは温度管理が難しく、低温だと利きが弱かったりパッドの減りが激しいとも言われた。だが近年は大幅に改善され、以前のようなシビアさはないようだ。スーパーカーやハイパワースポーツカー以外のクルマには無縁のアイテムかもしれないが、普及が進めばいずれ価格は下がるかもしれない。

  • R35 GT-R SpecVの制動イメージ
  • NSXのカーボンブレーキ
すべて表示
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS