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「GRスープラ」は紳士と野獣の「キャラ変」が激しくて笑った! 6速MTをワインディングで試してみました【AMWリレーインプレ】

「GRスープラ」は紳士と野獣の「キャラ変」が激しくて笑った! 6速MTをワインディングで試してみました【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)  PHOTO: AMW 竹内耕太

「やる気スイッチ」で獰猛な走りに豹変!

 近年は多くのスポーツカーに走行モード切り替えスイッチが付いている。スポーツモードにすることで、エンジンの出力特性だけ変えるものからダンパー制御まで変えるものまでさまざまで、モードごとの味つけを通じて開発者のメッセージを感じられることもある。

 早朝のワインディングコースに行き、スープラのシフト脇にある「SPORT」スイッチを押してみると、あまりの豹変ぶりに度肝を抜かれてしまった。ステアリングもダンパーもエンジンも、すべてレスポンスがクイックになって、スポーティというより獰猛な野獣だ。

 アクセルをちょっと本気で踏みこむと、シートに押し付けられる強烈な加速。4000rpm前後から直6ターボの快音が盛り上がり、脳内に多量のアドレナリンを発生させながらあっという間に6000rpmオーバーまで吹きあがる。下の方のギヤであっても油断すればすぐ危険な領域に踏み込んでしまいそうで、快楽衝動を理性で必死に押さえつける。

 スープラはスープラで、これが自分の本来のあり方だと言わんばかりに、もっと踏め、もっと攻めろと煽り立ててくる。ノーマルモードがあまりにジェントルすぎたこともあるが、これほど極端な「キャラ変」は珍しい。「“能ある鷹は爪隠す”にも程があるでしょ!」と、運転しながら思わず笑ってしまった。

サーキットでさらなるパワーを解放したくなる

 FRならではのコーナリング感覚を存分に味わえるチューニングにも素直に感動した。ステアリングの切り始めでフロント内側のブレーキをごくわずかに介入させる制御がスープラには備わっていて、鼻先がインにスッと入って姿勢をつくりやすい。旋回中のスタビリティの高さも特筆もので、しっかり接地して路面のアンジュレーションを的確にドライバーに伝える足まわりには安心感があり、少し攻めた程度のコーナリングでは危うさを覚えることはない。それでもオンザレール感覚というより、自らの意志でクルマを操っている一体感に陶酔させてくれるのだ。

 試乗後にボディの床下をチェックしてみると、近年とくにトヨタがこだわっている空力性能の追求が、ボディデザインのみならず見えないところまで徹底しているのに舌を巻いた。フロントのホイールアーチからアンダーフロアへの段差をなくして一体化していたり、リアアクスルにもアンダーカバーを付けたりしていて、リフト(浮き上がり)を徹底的に抑制しようとの執念が感じられる。

 公道を試乗したかぎりでは限界域はおろか、挙動に乱れが生じることもなかった。最高出力387psを秘めたスープラのパフォーマンスを本当に味わおうと思うなら、やはりサーキットに行くしかないだろう。

 ふだんはデイリーカーとして通勤や買い物にも使えるノーマルモードで、休日にサーキットでスポ―ツモードの本気走りを楽しむ。そんなメリハリのきいたカーライフに、スープラの二面性がぴったりとマッチしそうだ。

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  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • AMW 竹内耕太(TAKEUCHI Kota)
  • 田舎の大学院で古代インドのサンスクリット語を研究していた元・学者の卵。クルマ遊びにハマって中古車販売店で1年働いた後に出版業界へ。クルマやカルチャー系の雑誌のほか、翻訳書、人文書、地図帳、写真集など手がける。クラシック・フォルクスワーゲンが趣味の中核で、愛車は1963年式カルマンギア。数年前に都内から小田原へ移住し、賃貸ガレージハウスでリモートワークしつつ、箱根や伊豆のワインディングをのんびりドライブする日々。
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