ハンドリング性能は乗用車的にリニアになった
適度な重さのパワーステアリングはギヤレシオを先代の17:1から15:1に見直され、切り込んだ際の反応がよくできた乗用車的にリニア。思い通りにスッと進路を変えてくれる。また、直進性にも優れ、ステアリングに伝わる前輪のインフォメーションも確実になっているため、あらゆるシーンでの走りやすさの進化は著しすぎるほど。
先代のステアリングの操舵感はかなりおだやかで、ハンドリングは安定志向に徹し、高速安定性、直進性で威力を発揮してくれたものだが、新型のハンドリング性能はかなり正確で現代的になったと言えるだろう。
ルノー最新のCMF-C/Dプラットフォーム+16インチタイヤによる乗り心地は、路面によってはややゴツゴツしたタッチを伝えてくるものの、総じてフラットで快適そのもの。フラットな路面だと、滑るように走ってくれるのだ。
山道を安定感たっぷりにスイスイと走ること間違いなし
今回は山道での試乗は叶わなかったものの、S字カーブが連続する道を走れば、これが気持ち良さ満点。ロールが抑えられ、前後輪のトレッドが広がっていることもあって4輪のタイヤが路面に張り付くようなコーナリングフォームを見せつける。あとに乗ったディーゼルターボモデルに対して、おもに鼻先が90kgも軽いことも、その軽快かつ自在感ある操縦性やフットワークに貢献していると思われる。
あわせて、前席のサイドサポート性の良さもカーブの走りやすさを後押ししてくれている印象だ。これなら、1810mmもの全高にしてスムーズに回り切るエンジンの素晴らしさもあって、山道を安定感たっぷりにスイスイと痛快に走ってくれること間違いなしである。先代同様に高速走行、長距離ドライブも得意中の得意のはず。新たに加わった先進運転支援機能のACCやレーンキープ機能による快適感たっぷり、ストレスフリーの移動が可能になることはもちろんだ。
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このあと、別稿でボディ同色バンパーを纏ったインテンスのディーゼルターボモデルの試乗記をお届けする予定だが、先に言ってしまうと、新型はガソリンターボの仕上がりが素晴らしくいいと感じている。先代モデルとの走りの進化の差がより大きいのもこちらのように思える。
購入に向けて販売店で試乗する際は、ぜひ両パワーユニットを乗り比べて、ドライブフィールの違い、使い方(ロングドライブの機会が多い、少ないなど)、価格差、燃費差などをじっくり吟味して結論を出していただきたい。