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初ロータリーEg搭載車「コスモスポーツ」開発秘話。マツダ四十七士が奮闘した昭和の熱い時代でした【国産名車グラフィティ】

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: 芝 修/一般社団法人日本自動車工業会/Auto Messe Web編集部

質感にこだわったおしゃれな内装

車名は宇宙を意味する「COSMO」に決定した。エクステリアを公開したのは東京モーターショーと名を変えて1964年9月に開催された第11回だ。美しいフォルムが話題となり、その後は基本フォルムを変えることなく熟成に努めていった。苦難を乗り越え、市販を宣言したのは1967年5月30日だ。正式車名は「コスモスポーツ」である。

エクステリアと同様に、インテリアも基本はプロトタイプから変わっていない。ドライバーの前からセンターまでを横L字型のメーターパネルとし、全体をソフトパッドで包んでいる。ただ市販車ではアルミのパネルがブラックアウトされ、メーターの配置とデザインも一部変更。メーターは大径のスピードメーターとタコメーターを中心に、左右に2個ずつの補助メーターを並べている。左端は時計だ。後期型ではアシストグリップも追加された。

ウッドのステアリングには60mmのテレスコピック機構が付き、4速フロアシフトの短いレバーもウッド製としている。ちなみに低い位置に装着されたバケットタイプのシートは千鳥格子のおしゃれなデザインで、足を投げ出すように着座する。

後期モデルではヘッドレストが加わり、4速に換えて5速MTを採用した。キャビンは同じように見えるが、ホイールベースが2350mmと150mm延びたため、室内は少し余裕を増している。合わせガラスを早くから採用するなど、安全装備が充実しているのもマツダの良心だ。

前期型のコスモスポーツは「L10A」と呼ばれ、世界初の2ローターREの最高出力は110ps/7000rpm、最大トルクが13.3kgm/3500rpmを発生した。4速MTを組み合わせ、連続最高速度185km/h、0-400m加速は16.3秒。サスペンションは、フロントが設計自由度の高いウィッシュボーン式、リアは独創的なド・ディオン式リジッドアクスルとした。

1968年7月、最初で最後のマイナーチェンジを行っている。ホイールベースを延ばした「L10B」は、フロントマスクを化粧直しし、ラジアルタイヤが標準装備だ。ブレーキにはサーボアシストが加わった。また、エンジンも128ps/14.2kgmにパワーアップし、最高速度は200km/hの大台に乗っている。開発陣の情熱がほとばしる独創のスポーツカーがコスモスポーツだ。

コスモスポーツ(L10B)
●年式:1969
●全長×全幅×全高:4130mm×1590mm×1165mm
●ホイールベース:2350mm
●車両重量:960kg
●エンジン:10A型2ローター
●総排気量:491cc×2ローター
●最高出力:128ps/7000rpm
●最大トルク:14.2kgm/5000rpm
●変速機:5速MT
●サスペンション(前/後)ウィッシュボーン/ド・ディオン・リーフリジッド
●ブレーキ(前/後)ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤサイズ:155HR15
●新車当時価格:158万円

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  • コスモスポーツのフロントマスク
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